日曜日に行われたウィンブルドン男子シングルス決勝戦で第4シードの
R・フェデラー(スイス)を6-7 (7-9), 6-4, 7-6 (7-4), 5-7, 6-4で下した第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は、第5セットへ入る前にトイレット・ブレークを取り自身へ活を入れた事を月曜日に明かした。
この試合、セットカウント2ー1で迎えた第4セット、5ー2とリードしたジョコビッチは続くフェデラーのサービスゲームでブレークポイントとなるチャンピオンシップ・ポイントを握るもフェデラーにしのがれ、その後フェデラーに5ゲームを連取された。そして第4セットを奪われ、試合を振り出しに戻されてしまった。
第5セットへ入る前、ジョコビッチはトイレット・ブレークを要求。ジョコビッチはそこで、恐れや不安などを振り払い前向きな気持ちになれるように自身へ活を入れていた。
《ジョコビッチvsフェデラーの記事はこちら》「あの時、不安を上回る信念を何とか持つことが出来たんだ。もう1つ最後のステップアップをして何とかトロフィーを勝ち取る事が出来た。」と、その時を振り返るジョコビッチ。
27歳のジョコビッチはこれが2度目のウィンブルドンでの優勝と同時に、自身7度目のグランドスラム優勝となった。この優勝回数は
J・マッケンロー(アメリカ)と
M・ビランデル(スウェーデン)に並ぶものとなった。そして週明けに発表された世界ランクでは9ヶ月ぶりとなる1位の座へ返り咲きを果たした。
今回の優勝までジョコビッチは、グランドスラムでの決勝戦では3大会連続で敗退していた。昨年のこの大会では
A・マレー(英国)に、1ヶ月前の全仏オープンでは
R・ナダル(スペイン)の前に涙を飲んでいた。
《昨年のウィンブルドンの記事はこちら》ここまで約1年半、グランドスラムでの優勝から遠退いていたジョコビッチは、テニスの技術面ではなくコートでの精神面の強化を図るためにウィンブルドンでの3度の優勝を含む6度のグランドスラム優勝を持つ元世界ランク1位の
Bo・ベッカー(ドイツ)氏を今シーズンからコーチとしてチームへ招いていた。
ベッカー氏は、大切な試合の厳しい状況をどう対処するかをジョコビッチに伝授していた。
「それをいつも一緒に話し合っていたんだ。そして、大切な場面でコートで自分が直面する事へ精神的に準備が出来るようにしていたし、実際今回の決勝戦ではそんな状況が起きたんだ。しかも何度もね。」とジョコビッチ。
「その試合ではフェデラーも自分も限界まで追い込むような試合になったし、お互い最高のプレーをしていた。そんな中、ボリス(ベッカー)をコートサイドに感じられた事は本当に助けになったんだ。」と、ベッカーの存在の大きさを語っていた。
そして「ボリスは、僕が優勝に値するだけのテニスをする事が出来るのは知っているが、どんな状況に陥ってもそこで我慢し、終始強い気持ちでいられるかが君には必要なんだと言っていたんだ。」と、ベッカー氏がジョコビッチへ対してどう感じていたかも明かしていた。
そんなジョコビッチだが、プライベートも充実している。結婚を約束しているフィアンセは現在妊娠中で、年内にも父親になる事が明かされている。
「もちろんエキサイティングな事さ。私達にとって人生の新しいページになるだろうし、それは私達が待ち望んでいるものなんだ。」と、プライベートの幸せにも言及していた。
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