テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は24日、男子シングルス準決勝が行われ、第6シードの
R・フェデラー(スイス)は第1シードの
R・ナダル(スペイン)に6-7 (4-7), 3-6, 3-6のストレートで敗れ、2010年以来4年ぶりの決勝進出を逃した。
32歳のフェデラーは、新しくコーチとして招き入れた
S・エドバーグ(スウェーデン)氏の指導のもと、更にグランドスラムでの勝利への自信を高めていた。昨シーズン、フェデラーは11年ぶりにグランドスラムで1度も決勝進出を果たせず、優勝もわずか1大会にとどまるなどスランプに陥っていた。
フェデラーは「自分のベストのテニスは目の前にある。」と、今大会11年連続でのベスト4進出を決めたフェデラーは手応えを感じていた。
しかしナダル戦では、フェデラーが攻撃的なボールを放っても、ナダルにことごとく返球された。
フェデラーは何とか試合の流れを自分のものにしようとサーブ&ボレー、繊細なタッチのショット、ドロップショットなどあらゆる事を試したもが好調ナダルには敵わなかった。
試合後、フェデラーは「あれこれ試したよ。するとラファ(ナダル)は、それを利用するかのような良いプレーをしてきた。だから、しばしばやりたい事をさせてもらえなかった。それもこれも全て相手がラファだったからさ。」と、ナダルのプレーに脱帽していた。
この日両者と通じて初めてのブレークが第2セットの第6ゲームで起きた。フェデラーのサービスゲームだったそのゲームで、ネットに出たフェデラーはナダルの逆を突くボレーを打つと、ナダルは足をとられた。しかし、そこから反転し2度目のバウンド直前に何とか拾って、そのボールをアングルに返球してきた。
ボールが返ってこないと思ったフェデラーは、ギリギリでネットを越えてきたボールをフレームショットしてしまい、15-40とナダルにブレークポイントを握られ、結果ブレークを許した。このセットをそのまま落としたフェデラーは2セットダウンとなった。
ナダルは28本のウィナー中13本が力強いフォアハンドから叩き出しており、そのほとんどがフェデラーはシングルバックハンドを狙ったものだった。
敗れたフェデラーだが、今季はここまで好調を続けていた。シーズン開幕のブリスベン国際男子で準優勝、今大会でも4回戦で第10シードの
JW・ツォンガ(フランス)、準々決勝では第4シードの
A・マレー(英国)を下していた。しかしこの日は、ナダルに対して打開策を見い出せなかった。
「ラファは、いつものラファだった。それは予想出来た事だけどね。彼(ナダル)は自分と対戦する時は、いつも安定したプレーをする。最高のプレーではなくてもね。説明するのは難しいけど、全く違う試合だった。他の選手と対戦する時と、ラファと対戦する時は全く違うんだ。」
今回の対戦でフェデラーはナダルとの対戦成績を10勝23敗とした。
そんなフェデラーだが、今の状態を前向きとらえている。
「昨年は苦しい時期もあったから、良い瞬間が必要だった。ここまでのプレーは良い方向へ向かっているステップだし、これが今まで欲しかったもの。今年はまた良い1年なると信じている。」と、始まったばかりのシーズンを楽しみにしていた。
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