男子テニスで日本のエースである
錦織圭(日本)は、今年のムチュア・マドリッド・オープン男子で元世界ランク1位でグランドスラムでは歴代最多17度の優勝を誇る
R・フェデラー(スイス)を下す大金星をあげ、日本に大きな衝撃を与えた。
「ずっと昔から目指して背を見てきた選手。テニスをする上で、彼(フェデラー)を倒す事が夢の1つでした。」と試合後に自身の公式ブログで綴った錦織は、フェデラーに対して最高のプレーを披露した。
錦織とフェデラーは2011年のスイス・インドア決勝でも対戦していたが、その時はフェデラーに1-6, 3-6のストレートで敗れた。
ムチュア・マドリッド・オープン男子3回戦、錦織は得意のフォアハンドからフェデラーのバックハンドにボールを集めるなどで優位に進め、第1セットを先取する。
しかし、セットダウンの状況でもディフェンディングチャンピオンのフェデラーは焦りを見せず、苦しい状況からパッシングショットを決めるなどで徐々にリズムを掴み始める。さらにフェデラーは鮮やかなドロップショットやネットプレーなどで錦織を翻弄し、わずか1ゲームしか与えずに第2セットを取る。
勝敗がかかる第3セット、気落ちしなかった錦織はフェデラーの強烈なショットに対応し、第4ゲームでブレークに成功、ゲームカウント3-1とリードする。その後はフェデラーにバックハンドの鋭いショットを決められるも、錦織は強気のフォアハンドに加えてバックハンドでも果敢に攻め続けた。
そして、第8ゲームでミスを重ねたフェデラーの隙をついた錦織は、このゲームもブレークに成功して1時間35分でフェデラーから勝利を収めた。その瞬間、錦織は両手を上げて喜びを表現した。
錦織とフェデラーの3回戦、ファーストサーブが入った時のポイント獲得率は、錦織の69パーセントに対し、フェデラーは74パーセントの確率でポイントを獲得。また、錦織は4度のブレークチャンスのうち3度のブレークに成功するも、フェデラーは錦織を上回る7度のチャンスがあったが2度のブレークしか出来なかった。
「試合前の日も、自分に勝つんだと言い聞かせることが1番大変でした。まずは、自分のメンタルに打ち勝つ事がファーストステップでした。また、対戦するチャンスはくると思うので、また対戦してみたいです。いつまでも彼が僕の目標である事は変わりはないですね。」
一方、フェデラーは当時「圭は勝者に値するよ。風のある中でも、安定したプレーをしていた。自分より良いプレーをしていたし、より良いプレーをした選手が勝者になる。それは確かな事。」と、語った。
しかし、錦織はフェデラーに勝利するも、準々決勝では好調だった
P・アンドゥハル(スペイン)にストレートで敗れ、ベスト8で姿を消した。そして、全仏オープンでは
R・ナダル(スペイン)に敗れるも日本男子として1938年の中野文照以来75年ぶりの4回戦進出を果たした。
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