テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は28日、男子シングルス1回戦が行われ、今大会限りで現役引退を表明している元世界ランク4位で33歳の
J・ブレイク(アメリカ)が予選から勝ち上がってきた
I・カルロビッチ(クロアチア)に7-6 (7-2), 6-3, 4-6, 6-7 (2-7), 6-7 (2-7)の逆転で敗れ、シングルスでの14年間のテニス人生に幕を閉じた。
この試合、ブレイクは2セットアップとするも、試合を通してカルロビッチに38本のサービスエースと75本のウィナーを決められ、3時間24分で敗れた。
大接戦の末に敗れたブレイクに対して、試合が終わると惜しみない拍手が贈られた。
「自分が今までしてきた全ての事や激しい練習の1つ1つが、この喝采に値する事だと実感させられたよ。14年間も練習に明け暮れて、皆さんの前で良い時も悪い時もあった。」とブレイクは、試合直後のオンコートインタビューで語った。
最後カルロビッチにマッチポイントを握られたブレイクは、カルロビッチが放ったワイドへのサービスが際どい箇所へ入ったため、ビデオ判定によるチャレンジを主審に要求。しかし、カルロビッチのサービスの判定はインとなったため、ブレイクのシングルスでの現役生活に終止符が打たれた。
「この試合の事を、きっとまた考えると思う。そして、どうやったら勝てただろうかなども考えるだろう。でも、この瞬間が幸せなものであると感じられる自分は、ラッキーな人間。だって、これからは友人や家族と共に過ごせる人生が待っているからね。今夜はあまり眠れそうにない。」と感慨深げに語り、詰め掛けた観客の拍手に応えていた。
「皆さん、こうして残ってくれてありがとう。時計を見たらもう午前0時をまわっている。でも、まだこうしてたくさんの人が残って応援してくれた。こんな瞬間は、もう自分の人生に訪れないと今認識させられたけど、ここにいる人みんなに感謝の気持ちを伝えなければならない。」
「そして、自分のファミリーボックスにいる人全てが大切な存在。テニス以外の人生でどんなアップダウンも、常に一緒にいてくれた。今後の人生だって、あそこにいる友達や家族と共に歩んでいく。」
「こうしてここにいてくれて、本当に愛しているよ。自分の人生や、プロテニス選手としてのキャリアを共に過ごしてくれて本当にありがとう。」と、サポートを続けた親しい友人や家族へも感謝の気持ちを語った。
1999年にプロへ転向したブレイクは、キャリア通算10度のツアー優勝を飾り、世界ランキングで2006年の11月に自己最高の4位までのぼりつめた。
また、今大会のダブルスにも出場するブレイクは
J・ソック(アメリカ)とペアを組んでおり、1回戦で第2シードの
A・ペヤ(オーストリア)/
B・ソアレス(ブラジル)組と対戦する。
一方、勝利したカルロビッチは2回戦で、
R・シュティエパネック(チェコ共和国)を7-6 (7-2), 6-3, 6-2のストレートで下した第9シードの
S・ワウリンカ(スイス)と対戦する。
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