男子テニスツアーのW&Sマスターズ(アメリカ/シンシナティ、ハード)に大会史上最多5度の優勝を誇り第5シードで出場する
R・フェデラー(スイス)は、最多更新となる6度目のタイトル獲得を狙う。そして、今年はこれまでと違う気持ちで大会へ臨もうとしている。
痛めていた腰が回復したフェデラーは「今は体調も万全さ。それに精神的にもモチベーションも高くなっている。この時期には、まさにそれがとても大切な事。」と、意気込みを語った。
芝コートのウィンブルドンで史上最多7度の優勝を誇るフェデラーは、まさかの2回戦敗退を喫した。その後も、当初出場を予定していなかったヨーロッパでのクレー大会に2度出場。ハンブルグ大会ではベスト4、祖国スイスのグシュタード大会でも、腰を痛めていた事などから初戦敗退となった。
それらの敗戦は、ウィンブルドンで当時世界ランク116位の
S・スタコフスキ(ウクライナ)、ハンブルグでは同114位の
F・デルボニス(アルゼンチン)、スイスでは同55位の
D・ブランズ(ドイツ)にと、いずれもかつてのフェデラーではあまり経験のないランキングの低い選手に敗れていた。
昨年のW&Sマスターズで5度目の優勝を飾ったフェデラーは、青く塗られたこの大会のハードコートを得意としており、その相性の良い大会で全米オープンへ向けて、再びフェデラーらしいプレーを取り戻そうとしている。
腰の痛みにより、先週のロジャーズ・カップ男子を欠場したフェデラーは例年より早めに会場入りし、腰の治療と自身のテニスの調整に努めていた。
ウィンブルドン敗退後にフェデラーは、新しいラケットで大会に臨んでいた。これまではラケットフェイスの大きさが90平方インチのものにこだわっていたが、今回は98平方インチへと大きめのラケットに挑戦している。
「ウィンブルドンの早いラウンドでの敗退から、なるべく早く立ち直れる準備は出来ていた。そして、しっかりそれが出来ている。短い休養をとって、すぐにまた激しい練習を始めた。その全てが素晴らしいものになっている。」
「新しいラケットにトライして、ハンブルグとグシュタードへ向かった。そして、実際楽しんでプレーをしていた。でも、最終的には良い結果を得られなかった。あまりにも多くの問題を抱えてしまったんだ。腰とかにね。」
「自分自身のテニスと体調を取り戻している。今のところ良い感じさ。モチベーションも上がっているし、気分も良くなっているんだ。ここシンシナティには、また新たな気持ちでスタート出来ているし、今現在ではそれが鍵になる。」
「より多くの試合で勝利を掴む事が出来たら、それはとても良い事だね。だって、ここでは何度も優勝を経験していて、そうする事でこの大会では何か最高の事が出来るような気持ちにさせられるから。どんな大会だってそうだけど、まずは初戦で苦しむかもしれないけどね。」
フェデラーは1回戦が免除されているため、2回戦から登場する。2回戦の相手は
P・コールシュライバー(ドイツ)に決まっており、1回戦で
M・フィッシュ(アメリカ)を7-5, 6-2のストレートで下しての勝ち上がり。
8月8日に32歳になった元世界ランク1位のフェデラー。ここ何年も経験していないような敗戦を味わってはいるものの、まだまだテニスへの情熱は持ち続けている。今大会から今季最後のグランドスラムである全米オープンで、スランプ脱出をアピールすることは出来るだろうか。
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