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テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝)で、優勝候補にあげられていた第1シードで世界ランク1位のS・ウィリアムズ(アメリカ)だったが、4回戦でS・リシキ(ドイツ)にまさかの敗退を喫した。
セリーナのコーチであるパトリック・ムラトグルー氏は、その敗戦を冷静に受け止めながら、敗戦を力に変えて更に強くなって戻ってくるとセリーナの今後を占なった。
「彼女(セリーナ)だって人間さ。もし、彼女が史上最強の選手だとしても、年間を通して全ての試合で完璧でいる事は期待出来ないからね。今の彼女だってそうだし、これからの彼女だってそうさ。」
「それでも、彼女は調子が悪い時のレベルが、以前ほど低いものにはなっていないとも感じている。でも、やっぱり彼女は人間なんだ。試合に負ける事だってある。我々は、そんな時に備える必要があるのさ。」
全豪オープン直後のドーハ大会の決勝戦でV・アザレンカ(ベラルーシ)に敗れて以来ウィンブルドンまで、31試合連続勝利を飾るなど絶好調だったセリーナ。他を圧倒する強さは、ムラトグルー氏をコーチに招いてから始まった。
昨年の全仏オープンでは、自身初となるグランドスラムでの1回戦敗退を喫した。その後にムラトグルー氏をコーチとして招いてからは、ウィンブルドンで5度目の優勝、ロンドンオリンピックでもシングルスに加え、姉のV・ウィリアムズ(アメリカ)と組んだダブルスでも金メダルを獲得。
以降、地元での全米オープンに優勝すると、上位8選手しか出場出来ないツアー最終戦でも優勝するなど、世界ランク1位への返り咲きは時間の問題と言われる強さを見せ始めていた。
その勢いのまま今季も好調を維持したセリーナは、2月のドーハ大会の準優勝後には見事世界ランク1位への返り咲きに成功した。その状態で迎えたウィンブルドンでの敗退だったが、セリーナ自身にとってはショックという言葉とは違う思いがあったと敗戦後に語った。
「ショックではないわ。彼女(リシキ)は、特に芝ではとても良いプレーをする選手だし、芝での彼女のサーブはかなり強烈なの。だから、試合前に彼女とウィンブルドンで対戦するのは、本当に簡単ではないってわかっていたわ。だから、ショックとかではないの。」と、セリーナ。
そしてムラトグルー氏は、ここまでの連戦の疲れも敗戦の要因になったのではないかと推測していた。
「彼女はちょっと疲れていたのかもしれない。それは可能性の話だけどね。似たような試合が全仏オープンの時にもあった。S・クズネツォワ(ロシア)との1戦さ。自分からしてみると、その2試合は同じような1日だった。だから、もし彼女があのリシキ戦に何とか勝っていたら、大会にも優勝出来ただろうね。」
「そして彼女の凄いところは、昨年の全仏オープンで初戦敗退した後、それをバネにして更に強くなって戻ってきた。彼女は負けると、よりモチベーションが上がり、これまで以上の練習をして、更に強い選手になってコートに戻ってくるんだ。他の選手達にとっては、悪いニュースかもしれないけどね。」
《ウィンブルドン 男女対戦表》
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(翻訳・記事/弓削忠則)
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