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世界テニスの日と定められた3月4日に、アメリカのニューヨークにあるマディソン・スクエア・ガーデンで開催されるエキシビションの『BNPパリバ・ショーダウン』に出場するために、現地4日朝にニューヨークへ到着したR・ナダル(スペイン)が、詰め掛けた大勢のメディアの前でインタビューに応じた。
膝の怪我のため7ヶ月のツアー離脱を余儀なくされてから復帰したナダルは、先週メキシコのアカプルコで行われていたアビエルト・メキシコ・テルセル・オープン男子で、復帰後3大会連続となる決勝進出。現地土曜日に行われた決勝戦では、同胞で世界ランク4位のD・フェレール(スペイン)を6-0, 6-2で圧倒し、復帰後2度目のタイトルを獲得していた。
ナダルは膝への負担が軽く、得意としているクレーの大会を復帰戦として選んでいた。復帰戦となったチリでのビニャ・デル・マール、第2戦のブラジルでのサンパウロ、先週のアカプルコと、中南米のクレーシリーズで実戦を行いつつ膝の回復をうかがっていた。
この日のナダルは、先週の優勝後の記者会見の時にみせた緊張気味の堅い表情とは一変して、リラックスした笑顔で質問に答え始めた。
昨年、ウィンブルドンでまさかの2回戦敗退を喫してから先月の復帰戦まで、膝の治療とリハビリのためにコートを去っていたナダルだったが、2012年前半では全仏オープンで大会史上初となる7度目の優勝を飾るなど、4大会でタイトルを獲得し、テニス人生で最も好調だった前半戦だと感じていたと言う。
「これまでの人生で、ベストのシーズン序盤だった。膝の怪我のために、その後のシーズンを戦い続けられなかった事は、本当に残念でならなかった。だから、余計に復帰する事に対して興奮していたし、先週のアカプルコでは本当に状態が良くなり始めたんだ。どんなボールを追いかけても全く問題がなかったと感じ始めたし、それは自分自身にとって最高の感触だった。」と、ナダル。
ナダルは、今週からカリフォルニア州インディアンウェルズで開催される男子マスターズ1000大会であるBNPパリバ・オープンに出場するが、それが復帰後初となるハードコートでの大会となる。
ナダルは「次の大会であるインディアンウェルズでの実戦を戦って、膝がどうなるかを見てみたい。それは、まさしく自分にとって大きなテストさ。現時点ではクレーでプレー出来る事はわかった。それがわかった事だけでも、自分にはとても大きな事だった。次はハードコートにチャレンジしてみるよ。それが完全復帰へのプロセスだと思うからね。長い間テニスから離れていて、そうする事が公式戦の完全復帰への大きなステップさ。過去に出来たように、年間のスケジュールをしっかりこなせられるように願っているんだ。」と、コメント。
そして、コートから離れていた時期を聞かれたナダルは、その辛い日々を振り返っていた。
「ずっと実家にいて、ドクターやトレーナーと共に、毎日ジムでリハビリや数々の治療を受けていたのに、短期間での回復が全く見られなかった時は、さすがにその現実をなかなか受け入れる事が出来なかった。簡単な時間じゃなかったけど、同時に家族や友人達と共に過ごす時間が持てた。ツアーを回っている時には出来ないような事をしていたんだ。でも辛い時期だった。毎日治療を受けて、毎朝起きると“今日の膝は?まだ悪いのか?”って考える日々だった。復帰の目処が全く立たなかったのは、一番辛い事だった。」と、ナダルは告白した。
今でも膝の調子を見ながら、今後のスケジュールを組まなければならない現状は、まだ辛い日々だとも感じていると言うナダル。今週から開催されるBNPパリバ・オープンは、男子シングルスは現地木曜日からスタートするが、シード選手全員が1回戦を免除されているため、ナダルは土曜日以降の2回戦から試合に登場する。
復帰戦で準優勝を飾ったナダルはその後2大会で優勝し、今季の成績を12勝1敗としているが、今後の公式戦へのスケジュールを決める上で、BNPパリバ・オープンはナダルにとって膝がどこまで対応出来るか、まさに大きな試練となる。
そのナダルはマディソン・スクエア・ガーデンで行われるBNPパリバ・ショーダウンではJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)とエキシビションを行い、復帰後初めてハードコートでプレーする。女子ではS・ウィリアムズ(アメリカ)とV・アザレンカ(ベラルーシ)のエキシビションも予定されている。
ナダルは「7ヶ月もの長い間、かなり痛みを膝に抱えていた。この先、次はどの大会に出場するか未だに決める事が出来ていない。とにかく今は、結果より出場出来た大会をエンジョイする事を優先している。」と、語った。
また「インディアンウェルズで膝がどこまで耐えられるかを見る必要があるし、こうして大会に出場出来る事は、今の自分にとっては嬉しい事。1週間前には、インディアンウェルズでさえ出場出来るかわからない状態だったんだからね。」と、ナダル。
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(翻訳・記事/弓削忠則)
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