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【コラム】フェデラー「グランドスラムで優勝したくらいの感情」◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その3

今年、男子テニスでウィンブルドンを優勝したR・フェデラー(スイス)。今回は、2012フェデラーシリーズ その3をお届けします。

ウィンブルドンで大会史上最多記録に並ぶ7度目の優勝、さらに自らの持つグランドスラム最多勝記録を17に更新。また、約2年ぶりに世界ランク1位に返り咲いたフェデラーは、ウィンブルドンと同じ会場で行われるロンドンオリンピックに出場する。

2008年の北京オリンピックではシングルスでJ・ブレーク(アメリカ)に敗れメダルを逃すも、S・ワウリンカ(スイス)とのダブルスでは金メダルを獲得した。

しかし、フェデラーは2012ロンドンオリンピックで、なんとしてでもシングルスのメダルがほしかった。

1回戦の相手はA・ファリャ(コロンビア)。「ファリャ」という名前で思い出す方もいると思いますが、ファリャは2010年のウィンブルドンでフェデラーに2セットアップまで追い込み、勝利まであと一歩と迫ったサウスポーの選手。

この試合、フェデラーは第1セットを先取する。しかし、ファリャのカウンターなどに惑わされ、第2セットでマッチポイントを握るもこれを生かせず、結果このセットを落としてしまう。しかし、芝コートを得意とするフェデラーが第3セットを奪い、フルセットで初戦突破を果たした。

試合後、フェデラーは「4年ごとに異常なプレッシャーを感じている。」と、コメントしていた。

2回戦の相手はJ・ベネトー(フランス)。ベネトーに対しフェデラーは、今年のウィンブルドンで2セットダウンの状況から4-6, 6-7 (3-7), 6-2, 7-6(8-6), 6-1の大逆転で勝利していた。注目された試合だったが、試合の主導権はフェデラーが終始握り、ストレートで3回戦進出を決めた。

その後、D・イストミン(ウズベキスタン)、J・アイズナー(アメリカ)を下し、メダル獲得まであと1勝と迫る準決勝まで駒を進める。準決勝では錦織圭(日本)などに勝利したJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)と対戦。

メダルをかけたこの試合は、フェデラー有利かと思われたが、デル=ポトロの破壊力がありミスの少ないストロークに押され、第1セットをデル=ポトロに奪われてしまう。第2セットは両者サービスキープを続け、タイブレークヘ突入する。タイブレークでは、フェデラーが最後ワイドへのサービスエースを決め、勝負の行方は第3セットへ持ち越される。

第3セット、互いに一歩も譲らずサービスキープを続けるも、第19ゲームで2本のダブルフォルトを犯したデル=ポトロの隙をついたフェデラーがブレークに成功し、ゲームカウント10-9とサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。だが、この場面でデル=ポトロにラブゲームでブレークバックを許し、ゲームカウント10-10となる。

以降、試合が永遠に続くのではと思わせるほど両者サービスキープを続ける。しかし、第35ゲームで遂に試合が動く。0-40と3本のブレークチャンスを掴んだフェデラーがこのゲームをブレークに成功し、ゲームカウント18-17と2度目のサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。

そして、第36ゲームでマッチポイントを握ったフェデラーが、最後バックハンドのアプローチショットでネットに出るも、デル=ポトロのバックハンドがネットし、4時間26分の大激闘が終わった。勝利の瞬間、フェデラーはウェアの胸にデザインされていた自国スイスの国旗にキスをした。

決勝進出とメダル獲得を決めたフェデラーは「グランドスラムで優勝したくらいの感情だった。試合中負けるのではないかと何度も思ったけど、同時にメダルを獲得した自分も想像していた。何としても勝って、メダルが欲しかった。」と、試合後コメントしていた。

大接戦をものにできなかったデル=ポトロは「今は簡単な状況ではない。こういった試合でも誰かが勝者となり、今日は彼(フェデラー)だった。(2009年)全米オープン決勝では僕だったが、今回は彼の番だった。」

その後、デル=ポトロは3位決定戦でN・ジョコビッチ(セルビア)に勝利し、銅メダルを獲得した。

フェデラーの決勝の相手は、ウィンブルドン決勝の再現となる地元期待のA・マレー(英国)。ワウリンカ、J・ニエミネン(フィンランド)、M・バグダティス(キプロス)、N・アルマグロ(スペイン)、ジョコビッチなどの強敵を次々と撃破しての決勝進出だった。

5セットマッチで行われた男子シングルス決勝戦、フェデラーは第2セットが終わった時点でわずか3ゲームしか奪えず、2セットダウンの状況に追い込まれる。ここから挽回しようとするも、第5ゲームでこの試合5度目のブレークを許し、ゲームカウント3-5とリードされ第9ゲームをなんとかサービスキープするフェデラーは、第10ゲームでブレークしようと試みる。

しかし、既にマレーの勢いを止めることはできず、最後はセンターへサービスエースを決められ、フェデラーの銀メダルが決まった。また、ウィンブルドンのリベンジを果たされる結果となった。

試合後フェデラーは「満足している。マレーは自分より多くの場面でいいプレーをしていた。素晴らしい1ヶ月だった。ウィンブルドンで優勝し、世界ランク1位に返り咲き、そして銀メダルを獲得した。銀メダル獲得したことをとても誇りに思う。1回戦から決勝までとても感情的になる大会だった。1回戦でも準決勝でも負ける可能性もあった。負けたのではなく、銀メダルを勝ち取った気分。とても満足している。」と、コメントしていた。

表彰式では銀メダルにキスをしていたフェデラーに胸を打たれた方も多かったのではないでしょうか。

その後、フェデラーはハードコートシーズンへと突入する。

【続きは明日12月6日(木)】

■過去のコラムはコチラ■
《「フェデラー、王者奪還なるか◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その1」はこちら》

《「フェデラーに神が降りる◇第3弾 2012フェデラーシリーズ その2」はこちら》

《「貴公子フェレーロ、やっと手にしたビッグタイトル◇第2弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》

《「完璧主義者のフェレーロ、最後は涙のフィナーレ◇第2弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》

《「ロディック、ギルバートと手を組み栄冠◇第1弾 2012引退シリーズ その1」はこちら》

《「ロディックに「フェデラー」という壁が立ちはだかる◇第1弾 2012引退シリーズ その2」はこちら》

《「フェデラー最大の被害者となったロディック「自分がどう感じるかが重要」◇第1弾 2012引退シリーズ その3」はこちら》

(2012年12月5日22時07分)

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