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女子テニスツアーのロジャーズ・カップ女子(カナダ/モントリオール、賞金総額216万8400ドル、ハード)は9日、シングルス2回戦残り11試合が行われ、第11シードのA・イバノビッチ(セルビア)と第13シードのJ・ヤンコビッチ(セルビア)の元世界1位のセルビア勢が共に敗退する結果となった。
今大会はシード選手16名全員が1回戦を免除されているため、この日の2回戦が初戦だったイバノビッチとヤンコビッチは、実力を発揮する前にあっさり敗退。
そのシードダウンを演じたのはR・ビンチ(イタリア)と主催者推薦で出場のA・ウズニアッキ(カナダ)。ビンチは何とイバノビッチを6-0, 6-0のダブルベーグルで、ウズニアキはヤンコビッチを6-2, 6-3と危なげなく退け、詰め掛けた地元ファンの声援に金星で答えた。
世界ランク12位のイバノビッチに対して同28位のビンチは、自身サーブで1度もブレークポイントを握らせなかった。イバノビッチのサービスゲームでも、第1セットの第5ゲームで1度、第2セットの第3ゲームで2度しかイバノビッチにゲームポイントを握らせず、そのいずれもブレークを奪っていた。
わずか44分でイバノビッチを一蹴したビンチは「本当にびっくり。アナ(イバノビッチ)のような素晴らしい選手を相手にダブルベーグルの勝利を上げるのは簡単なことではないわ。スライスを多用して、それを彼女は嫌がっていたようね。何度も彼女と対戦したけど、こんな彼女は本当に珍しい。」と本人も驚きを隠せなかった。
プロ生活で初めてのダブルベーグルでの敗退を喫したイバノビッチは「全くリズムが掴めなかった。練習では調子が良かったのに。フットワークが上手く行かなくて、すぐにミスが出てしまったの。そうじゃなくてもビンチのような安定したプレーをする選手には、勝利を上げるのは常に厳しいものなのに。」と、自分自身でも信じられない様子だった。
「0-5とか0-6とかになると、段々パニックになるものね。そうじゃなくても良いプレーが出来ていなかったのに。本当に厳しい状態だった。ジュニアの頃を振り返っても、こんな負け方をした記憶がないわ。」とイバノビッチは、試合中に打開策が見つからなかった事を明かした。
地元からの主催者推薦で出場している世界ランク55位のウズニアッキは、同18位のヤンコビッチに第1セットで1度ブレークを許すも3度のブレークを奪い、そのセットを先取。
地元の声援を力にしたウズニアッキは第2セットで1度もブレークポイントをヤンコビッチに握らせず、1度ブレークを奪うと1時間31分のストレートで勝利、5度目の対戦でヤンコビッチから初勝利を飾った。
「地元のファンの前で、しかもこんな大きな大会で3回戦進出を決められたなんて、これ以上の事はないわ。彼女にリズムを奪われないようにしたの。彼女がミスをするまで辛抱強くプレーして、ミスの少ないテニスをして、チャンスが来たら自分のショットを打ち込むように努めたの。」とウズニアッキは試合を振り返り勝因を語っていた。
今季はスランプに陥っているヤンコビッチは、今年の2月のドーハ大会で初戦敗退して以来、この大会が19大会目の出場ながら初戦敗退が13大会目となるなど、かつてのようなプレーが影を潜めてしまっている。この日も格下のウズニアッキの前に、自分のプレーを取り戻すことなく敗退する結果となってしまった。
ビンチは第6シードのA・ケルバー(ドイツ)とE・マカロバ(ロシア)の勝者と、ウズニアッキはC・マーケイル(アメリカ)と準々決勝進出を懸けて3回戦で顔を合わせる。
ケルバーとマカロバの試合は、試合途中で降雨のため翌日へと順延となっている。マーケイルはこの日、ラッキールーザーのG・ウォスコボエワ(カザフスタン)を7-5, 3-6, 6-2のフルセットで下しての勝ち上がり。ウォスコボエワは第3シードで出場予定だったM・シャラポワ(ロシア)がウィルス性胃腸疾患のため欠場を申し入れて繰り上がりで本戦入りとなっていた。
この日終了した全ての試合結果は以下の通り。
A・ラドワンスカ(ポーランド) (2) ○-× M・バーテル(ドイツ), 4-6, 6-3, 7-6 (7-5)
M・バルトリ(フランス) (9) ○-× S・ポン(中国), 6-1, 6-3
N・リー(中国) (10) ○-× E・ブシャール, 6-4, 6-4
R・ビンチ ○-× A・イバノビッチ (11), 6-0, 6-0
V・レプシェンコ(アメリカ) ○-× D・チブルコワ(スロバキア) (12), 6-4, 6-4
A・ウズニアッキ ○-× J・ヤンコビッチ (13), 6-2, 6-3
C・スアレス・ナバロ(スペイン) ○-× S・リシキ(ドイツ) (15), 3-6, 6-3, 6-4
C・マーケイル ○-× G・ウォスコボエワ, 7-5, 3-6, 6-2
また、試合が開始されながら降雨のため途中で中断を余儀なくされて、翌日へと順延となって試合は以下の3試合。
V・アザレンカ(ベラルーシ) (1) vs. T・パスゼック(オーストリア), 3-3
A・ケルバー (6) vs. E・マカロバ, 6-3, 1-3
C・ウォズニアキ(デンマーク) (7) vs. K・ベルテンス(オランダ), 7-5, 4-0
今大会の優勝賞金は38万5000ドル。
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