HOME → ニュースTOP → 今日のニュース(一覧) → 今日のニュース(詳細) |
|
かつて添田豪(日本)ほど、オリンピック出場を熱望した日本男子プロテニスプレーヤーがいただろうか。
27歳という年齢を考えれば、もしかしたらラストチャンスになるかもしれないという危機感もあったのだろう。添田は、今シーズン、ロンドンオリンピックの本戦ストレートインの目安となるATPランキング56位を目指し、チャレンジャー大会を中心に戦った。その戦いには賛否両論あったが、優勝3回、準優勝1回を果たし、自己最高ランキングを更新し続けて50位台に入り、初めてのオリンピック出場を自力で勝ち取ってみせた。
「オリンピックが決まった時は、本当に嬉しかった。4年に一度しかないので、出られることにまず喜びを感じている。出るからには勝ちたい」
さらに、ロンドンオリンピックのテニス競技が、「テニスの聖地」ウインブルドンで行われることが、添田のモチベーションを上げた。オリンピックテニスが、ウインブルドンで開催されることは、21世紀中に二度とないかもしれない。
「歴史上、1年に2回、ウインブルドンで試合があるということはもうないでしょう。その中に自分が出られることは、すごくラッキーなことですし、すごく名誉なこと。ウインブルドンで日の丸を付けることは、いつものウインブルドンと違った興奮があると思うので、すごく楽しみにしています」
また日頃からNBAバスケットボールを見ている添田は、「アメリカのバスケットチームが見たい。チャンスがあれば、いろいろな競技を見たい」と、オリンピックでしかできない体験も心待ちにしている。
オリンピック直前のATPアトランタ大会の準々決勝で、添田は、錦織をストレートで破ってベスト4に進出。ATPランキングを自己最高の47位に上げ、ついにトップ50入りを果たした。
上昇気流に乗る添田は、シングルス1回戦で、世界ランク44位のM・バグダティス(キプロス)と対戦することが決まった。また、ワイルドカードで出場する錦織圭(日本)とのダブルス1回戦では、08年北京オリンピックの金メダルペアであるR・フェデラー(スイス)/S・ワウリンカ(スイス)組と対戦する。単複共に、添田の集大成となるようなプレーが見られることを期待したい。
(文・写真/神 仁司)
© 2011 Fubic Corporation. All Rights Reserved.