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女子テニスの元世界ランク1位であるJ・エナン(ベルギー)が水曜日、再びツアーから引退することを発表した。通算7度のグランドスラム優勝を誇るエナンであるが、昨年から悩まされてた肘の怪我により、今回の決断に至った。
エナンの公式ウェブサイト上では、エナンからの言葉として「この数日間、いくつかの検査を受けていました。今回のオーストラリアでのチャレンジの結果、肘の状態が悪化していることを確認しました。」とつづられている。
現在開催されている全豪オープンに出場していたエナンであるが、3回戦でS・クズネツォワ(ロシア)に敗れている。今回の発表は、その敗戦から5日後のことであった。
「この数週間、毎日のように痛みがありましたが、意思の力で乗り越えられると考えていました。今日、検査とドクターにより確たるものとなりました。」
2008年にエナンが1度目の引退を発表した時、彼女は世界ランク1位であった。その20ヵ月後にツアーに復帰した彼女は、昨年の全豪オープンで決勝に進出していた。しかし、ウィンブルドンで肘を痛めてしまった彼女は、そのために昨シーズン後半を棒に振っていた。
「私のキャリアが終わりを告げることを受け入れなければならないのは明白です。非常に大きな闘志を持って復帰していただけに、大変辛いとしてもです。」
現在28歳のエナンが初めて獲得したメジャータイトルは、2003年の全仏オープンであった。その後も、全仏では好成績を残しており、2005年から2007年で3連覇を達成している。またUSオープンでは2003年と2007年、そして全豪オープンでは2004年にタイトルを獲得している。
昨シーズンに復帰を果たしているエナンは、第1の目標としてウィンブルドンでの優勝を掲げていたが、皮肉にも昨年のウィンブルドン4回戦で故障した肘が原因で2度目の引退を余儀なくされた。
女子ツアーを統括するWTAのCEOであるステイシー・アラスター女史は「私達はこの数ヶ月間、彼女のプレーの華麗さを再び目にする幸運に恵まれました。ジュスティーヌだけが可能にしたプレーを見ることを求めてしまうのは、間違いないでしょう。彼女は、その時代でも最も偉大なアスリートの一人として記憶されるでしょう。」とコメントしている。
身長167cmと現代の女子テニスツアーの中では小柄な体格ながら、エナンの片手バックハンドはツアーでも屈指の威力を誇っていた。その体格から、パワーテニスに移行しつつあった女子テニス界で苦しむこともあったが、それゆえにファンからの声援を受けることもあった。
しかし、小さな体格と決して良いとはいえないサーブながらも、その強固な意志の力で頂点を掴み取っていた。しかし、同胞のK・クレイステルス(ベルギー)が愛されるキャラクターであったのに対し、エナンの葉を食いしばってプレーする姿は、しばしばファンから敬遠されることもあった。
最後にエナンはファンに向けてこういっている。
「もし一つだけ後悔していることがあるとすれば、自分自身を守りすぎたために、皆さんともっと近づくことができなかったことです。」
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