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女子テニスの世界ランク9位で、現在開催されているWTAチャンピオンシップスにも出場中のE・デメンティエワ(ロシア)が、突如、現役からの引退を発表。29日に行われた試合後のコートで、引退セレモニーが執り行われた。
29歳でその12年のキャリアに幕を下すデメンティエワは、これまでに16個のツアータイトルを獲得し、2度のグランドスラム決勝進出を果たしている。
セレモニーに集まったライバル達に向かってデメンティエワは「とても感情的になっています。さよならを言うのは辛いです。みんなに会えなくて、寂しくなるでしょう。」と別れを告げた。
さらにデメンティエワは、いつも観客席から彼女を見守っていた母親のベラさんに対し「母はとても協力的で、いつも励ましてくれました。彼女にも感謝しています。愛しているわ、ママ。」と感謝の意を述べた。
セレモニーに参加した選手達は、こぞってデメンティエワこそ本当のプロフェッショナルだったと、その功績を称えた。
元世界ランク1位で、今季のUSオープン女王であるK・クレイステルス(ベルギー)は「彼女は、私がジュニアの頃から対戦を繰り返し、一緒に成長してきた選手の一人です。彼女が新しい人生に向けて前進することは、良いことです。彼女はこれまで、最もプロフェッショナルな一人でしたし、コートでも素晴らしい人でした。」と、別れを惜しんだ。
また母国ロシアの後輩であるV・ズヴォナレーワ(ロシア)は「エレーナは素晴らしい選手でしたし、ロシアの若者に多くのインスピレーションを与えてきました。彼女こそお手本でしたし、私も彼女に憧れていました。彼女はこんなにも素晴らしい実績を残しましたし、国中が惜しむことでしょう。」と、最大級の賛辞を送った。
デメンティエワは、自身でもっとも印象深い勝利として2008年の北京オリンピックを挙げている。その大会でデメンティエワは、S・ウィリアムズ(アメリカ)、ズヴォナレーワ、そしてD・サフィーナ(ロシア)を下して金メダルを獲得している。
またデメンティエワは、2004年の全仏オープン決勝でA・ミスキナ(ロシア)と史上初となるロシア勢同士のグランドスラム決勝を戦ったほか、翌年のUSオープン決勝でもS・クズネツォワ(ロシア)とロシア勢対決を行っている。しかし、A・モレスモ(フランス)やJ・カプリアティ(アメリカ)から劇的な勝利を収めて決勝に進出しつつも、どちらも準優勝に終わっている。
さらにデメンティエワは、今年のウィンブルドンを欠場するまで46大会連続でグランドスラムに出場していた。
1998年にプロデビューを果たしていたデメンティエワは今季、シドニーとパリでタイトルを獲得しており、9月に行われた東レ・パン・パシフィック・オープンでも決勝に進出していた。
2003年からはトップ20をキープし続け、昨年は自己最高となる世界ランク3位になっていたデメンティエワは、生涯成績576勝273敗と、この8年間で7度目となる年度末トップ10という記録を残し、コートを去った。
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