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30日から始まる今年最後のグランドスラムであるUSオープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)の開幕直前、男子シングルス第2シードのR・フェデラー(スイス)が電話でのインタビューに答え、自らの調子やライバル達について語った。
もし最近のフェデラーの成績から彼のキャリアがどこに落ち着くのかと質問されたら、最低でも一人は決めるのは早過ぎると言うだろう。そうフェデラー自身が。
「ここ数年は、とても自信に溢れていたよ。それに自信を失った感覚は全くないよ。」
USオープンが始まれば、R・ナダル(スペイン)は生涯グランドスラムの達成を目指し、A・マレー(英国)は自身初となるビッグタイトルを狙う、さらにN・ジョコビッチ(セルビア)は自身2度目のメジャー制覇と、A・ロディック(アメリカ)はアメリカ勢として地元タイトルの死守を目指す。
そしてフェデラーは、いまだ健在な滑らかなフットワーク、卓越したフォアハンド、そしてユーチューブでも評判のピンポイントで狙えるサーブを駆使することによって、王者の時代がまだ続くことを証明する。
P・サンプラス(アメリカ)の元コーチであるポール・アナコーンとのコンビを発表したばかりのフェデラーは「ラファ、マレー、ジョコビッチは全員が調子が良さそうだね。だから今回のUSオープンには複数の優勝候補がいると思うよ。だけど、僕が一番だと思う。ニューヨークでは6年連続で決勝に進出しているからね。」と自信のコメント。
その記録には2004年からの大会5連覇も含まれており、フェデラーの持つ16のグランドスラム・タイトルの一部となっている。さらに、その記録はグランドスラム23大会連続でのベスト4以上進出という大記録の一部だ。この連続記録は、今年の全仏オープン準々決勝で敗れたことにより、すでに途切れている。
その1ヵ月後、これまで6度の優勝を誇るウィンブルドンでも準々決勝で敗退しているフェデラー。並の選手であればグランドスラム2大会連続でベスト8進出を果たせば満足以上のものが得られるが、フェデラーにかかる期待はそれ以上のものだ。
「彼にとって残念な結果に終わっているだけに、高いモチベーションがあると思う。他の選手だったら十分に満足できる結果だけどね。」と、2003年のUSオープン覇者であるロディックはフェデラーについてコメントしている。
2大会連続での早期敗退(フェデラーにとって)、さらに6ヶ月間も大会に勝つことが出来ず、さらに短いながらも2003年以来の世界ランク3位への転落、さらに29歳という年齢から、もう彼がグランドスラムで勝つことはないだろうという意見もある。
「過去5、6年の記録が人間離れしているといっても、彼は人間だよ。今では多くの選手が台頭しているし、大切な試合でベストのプレーをしなくちゃならないということではないよ。」とコメントしたジョコビッチは、最近3年間のUSオープンでフェデラーに3連敗を喫している。
今回と同じような話は2008年にもあった。2008年フェデラーは、3大会連続でグランドスラムのタイトルを逃している。全豪オープン準決勝でジョコビッチに負け、全仏オープンとウィンブルドンの決勝ではナダルに敗れた。その結果を受けたファンは、フェデラーに激励の手紙ばかりか欠点を直すためのDVDまで贈っている。
その後のフェデラーといえば、その年のUSオープンでタイトルを獲得すると、翌2009年の全仏オープンで初優勝を飾り生涯グランドスラムを達成すると共にサンプラスに並ぶ歴代最多のメジャー14勝目を挙げた。さらに、その直後のウィンブルドンでは新記録となる15度目のグランドスラム制覇を成し遂げている。
前哨戦の決勝でフェデラーと対戦したM・フィッシュ(アメリカ)は「彼を推し量ることなんてできないよ。誰かが彼は調子が悪いとか言うたびに復活してきて、2個か3個のメジャータイトルを連続で獲得してしまう。それに彼が同じ事ができない理由もないしね。彼は史上最高の選手だよ。個人的な意見だと、彼は最低でもあと2つか3つのタイトルを獲得するだろうね。」とコメントしている。
フェデラーもこの意見に賛成している。「もっとグランドスラムで勝てると信じている。だけど、追いかけるべきターゲットはないんだ。大会から大会に渡っているからね。僕が健康である間は、もっと勝てると思うよ。」
ウィンブルドンでT・ベルディフ(チェコ共和国)に敗れた後、フェデラーは大会前から足と背中に問題を抱えていたことを明かしている。しかし今では、家族との2週間のバケーションや休養によって、すっかりと体調を取り戻している。
現代のテニス選手にとって、怪我はどうしても付きまとう問題だ。昨年の決勝でフェデラーを破ったJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)は、5月に受けた手首の手術からいまだ復帰せず、今年の出場を見送っている。また、女子世界ランク1位のS・ウィリアムズ(アメリカ)は足の怪我の手術を控え、こちらも欠場。さらにJ・エナン(ベルギー)は、肘の怪我のために今シーズンのスケジュールを全てキャンセルした。
今大会に出場する選手も怪我と戦っており、K・クレイステルス(ベルギー)は今月から悩まされている左大腿部の問題を解決するため針治療を続けており、M・シャラポワ(ロシア)は肩の手術と肘の怪我から回復したものの、今は足に問題を抱えている。
「どのスポーツにおいても怪我は付き物よ。私達はたくさんの大会に出場して、勝つほど多くの試合をこなします。テニスの素晴らしいところでもありますが、違ったサーフェスでの試合は体に負担となります。簡単なことではありません。」とクレイステルス。「時差ボケ、違うコート、違うボール。いつも大変です。」
驚くべきことに、今回のUSオープンでフェデラーは、44大会連続でのグランドスラム出場を達成する。この記録は、男子の現役選手の中でも最長記録となる。他のトップ選手を例にすると、ロディックは10大会連続、ナダルは5大会連続に過ぎない。
「2004年にナンバー1になった時に決断したんだけど、試合に出場しすぎないことにしたんだ。より長くトップ選手でいるためにね。僕が出場した全てのグランドスラムで全力を尽くさなかったと言わないようにだよ。」とフェデラー。
最後にフェデラーは、現在の評価や将来の対戦相手たちに警告をしている。「僕が万全のときに僕に何ができるのか、みんなが知るべきだね。」
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