HOME → ニュースTOP → 今日のニュース(一覧) → 今日のニュース(詳細) |
|
テニスのグランドスラム大会である全仏オープン(フランス/パリ、クレー)は大会14日目の6日、女子シングルス決勝が行なわれ、第7シードのS・クズネツォワ(ロシア)が、第1シードのD・サフィーナ(ロシア)を6-4, 6-2のストレートで下し、今季の全仏オープンを制し、自身2個目となるグランドスラムタイトルを手に入れた。
この日のクズネツォワは、普段とは違い終始落ち着いたプレーを展開しサフィーナとのロシア勢対決に勝利した。これまでビッグタイトルが懸かった試合では、神経質になりすぎていたクズネツォワだったが、安定したプレーでラスト4ゲームを連取すると、わずか1時間14分で試合に幕を下ろした。
一方のサフィーナは感情を抑えることが出来ず、ダブルフォルトを7度も犯すなど自滅していった。それを察したのかクズネツォワは「今日の彼女はとても緊張していた。ものすごいプレッシャーを感じていたのでしょう。だけど私は、良いゲームを展開することが出来ました。そのおかげで勝てたのでしょう。」と気遣った。
現在世界ランク1位のサフィーナは、いまだグランドスラムで優勝が無いことから、そのランキングに対し、全仏オープンで4度の優勝を誇るJ・エナン(ベルギー)などから批評を受けている。4月に女王の地位を獲得したサフィーナは、7月の終わりまでそのポジションを約束されているが、グランドスラムの決勝では0勝3敗となっている。
2度のグランドスラム制覇の経験をもつM・サフィン(ロシア)を兄に持つサフィーナは、昨年の今大会決勝ではA・イバノビッチ(セルビア)に敗れていた。「いつの日か、ここで勝てるという希望を抱いています。」と、表彰式でのスピーチでサフィーナは、かすれた声で決意を新たにした。
準々決勝でグランドスラム10勝を誇るS・ウィリアムズ(アメリカ)を破り、ここまで勝ち上がってきたクズネツォワは、アングルショットやペースチェンジを交えたグラウンドストロークでサフィーナをコートから追いやると、ドロップショットも随所に織り交ぜサフィーナを翻弄した。またクズネツォワは、6度のネットプレーで全てポイントを奪った。
この日の涼しく、湿気を帯びた気候は球足が遅くなるコートコンディションを生み出し、サフィーナの強打がいつものような威力を発揮できなかった上に、サフィーナのサービスゲームでは半分以上のポイントをクズネツォワが獲得するなどサーブも不調を極めた。結局クズネツォワはこの日、5度のサービスブレークに成功している。
第2セット第8ゲーム、クズネツォワがマッチポイントを迎えると、ここでサフィーナが痛恨のダブルフォルトを犯し、ゲームセット。その瞬間もクズネツォワは落ち着いていたが、サフィーナとネットをはさみキスの交換をすると笑みがこぼれ、自らの胸を数回たたき歓声に応えた。
2004年のUSオープン以来となるグランドスラムタイトルを手にしたクズネツォワは、優勝賞金106万ユーロを手にし、準優勝のサフィーナは53万ユーロを手に入れた。
© 2011 Fubic Corporation. All Rights Reserved.