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鈴木貴男と森田あゆみ |
画像提供:Getty/AFLO |
◇日本勢の躍進。鈴木/岩渕がAIGオープンダブルス制覇
2005年は、日本勢が活躍した年だった。まず男子では、エース鈴木 貴男(日本)が全豪オープンシングルス2回戦で王者フェデラーに大善戦を見せ、世界中のテニスファンを驚かせたが、その9ヵ月後、今度は場所を日本に移し、AIGオープンダブルス優勝という快挙をやってのけた(パートナーは岩渕聡)。まさに日本男子テニスの歴史に新たな1ページが書き加えられた瞬間だった。 鈴木ばかりがニュースの上る日本男子テニスだが、鈴木以外にも明るい話題が1つあった。スペイン留学中の16歳、一藤木がAIGオープン1回戦でニコラス・ラペンティと対戦し、6-0、6-1と完敗するも、そのダイナミックなプレーは荒削りながらも大きな将来性を感じさせるものだった。スター不在といわれて久しい日本の男子テニス界だが、少しずつ芽は出てきているようだ。
一方女子はというと、まずエース杉山 愛(日本)は、シーズン開幕から怪我に苦しみ不調が続いたが、夏以降徐々に調子をあげ、年末には上位進出するまでに調子を戻してきた。ランキングこそ30位と低迷しているが、シーズン後半のプレーは、来年への飛躍を感じさせるに十分だ。また2004年に大きく躍進した浅越 しのぶ(日本)は、2月の東レパンパシフィック・オープンでベスト4入りするなどの活躍をみせたものの、ランキングは年度末最終ランキングを38位まで落としてしまった。来年に期待したいところだ。 そして2005年、最も存在感を示した日本人はといえば、森田 あゆみ(日本)だろう。全仏オープン(ジュニア部門)ベスト4、ウィンブルドン(ジュニア部門)ベスト8をはじめ、ワイルドカードで出場したAIGオープンでは、マリア・キリレンコと接戦を演じ、その実力が世界レベルであることを証明して見せた。さらに森田は、11月の全日本選手権で、史上3番目の若さとなる15歳8ヶ月で優勝を収めており、更なる飛躍に期待が高まる。
(2005年12月31日)