男子テニスの21歳以下最終戦Next Gen ATPファイナルズ(サウジアラビア/ジッダ、ハード)は28日に大会初日を迎えたが、主審や選手も把握していなかったミスが判明し、ゲーム途中でコートチェンジが行われる珍事が起きた。
>>綿貫 陽介ら四日市CH組合せ<<Next Gen ATPファイナルズは21歳以下の選手で年間の獲得ポイント上位7選手と、ワイルドカード(主催者推薦)が与えられた選手の8名が出場する大会。4名ずつに分かれ予選ラウンドロビンを戦い、各グループの上位2名が準決勝に駒を進める。
試合形式は4ゲーム制の5セットマッチで、2017年から新型コロナウイルスの影響を受けた2020年を除き過去5度開催されており、過去に
C・アルカラス(スペイン)や
J・シナー(イタリア)、
S・チチパス(ギリシャ)らが優勝を果たした登竜門となっている。
同時に同大会はウォームアップを行わずに試合を即スタートさせる取り組みや、サーブ間のショットクロック短縮、エレクトリックラインコールのいち早い導入など、実験的な“独自ルール”も多く存在している。
今回珍事が起きたのは大会のオープニングマッチとなった世界ランク36位の
A・フィス(フランス)と同115位の
L・ナルディ(イタリア)の対戦で、第1セットを2-4で落としたフィスが第2セット第1ゲームのサービスゲームを40-0とした時点で主審からストップがかかった。
第1セット、フィスはゲームカウント2-3とされ、ナルディのサービスをブレークできずセットを落とし、選手も審判も第1セットの終わりからコートチェンジをせずにプレーをスタート。しかし、今大会独自のルールとしてスコア関係なくセットが終了したらコートチェンジをするという規則が存在するため、このことに気づいた主審のモハメド・ラヒアニ氏はゲーム途中にチェンジするという判断を下した。
ラヒアニ氏はサーバーのフィスを呼び、次のポイントからはコートの反対側からサーブをするよう説明。これに対しフィスは第1セットを落としたときのことを話したが、ラヒアニ氏はルールとして決まっており、それを見逃してしまっていたと語った。
また、ナルディもルールを把握できておらず「なんで?それがルールなの?」とラヒアニ氏へ言及。その後もしばらくやり取りがあり、納得した2選手は互いにコートを入れ替えプレーを再開した。
試合はフィスが逆転勝ちし2-4, 4-3 (8-6), 4-2, 1-4, 4-2のフルセットで勝利した。
ツアーとは異なる実験的なルールを設けている同大会。選手も当然ながら試合を裁く審判も把握しきれていないルールは今後も出てくるかもしれない。
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