テニスの全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は5日に男子車いす部門のシングルスが開幕する。大会を前に世界ランク1位で今大会第1シードの17歳・
小田凱人が同大会を全日程生中継するWOWOWのインタビューに応じた。
>>アルカラス、ジョコビッチら全米OP組合せ<<今シーズン、小田は17歳にして6月の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)で四大大会初優勝を飾り史上最年少で世界ランク1位の座に就くと、勢いそのままにウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)でも優勝し四大大会2大会連続優勝を成し遂げた。
大会を前に小田はWOWOWのインタビューに応じ想いを語った。
【小田凱人選手インタビュー】
Q. 全米オープンにはどういうイメージを持っていますか。
「昨年があまり良い結果ではありませんでした。2回戦で負けて、しかも普段勝っている相手でもあったので、その選手に負けた印象が強く、そのイメージが自分の中ではあります。大会全体としては、アメリカ特有のエンタテインメントなところはすごく感じますね。そういう場は僕も大好きですし、盛り上げたいという気持ちがあるので、そこはピッタリかなと思います」
Q. 車いすテニスで目指しているところはどういったところなのでしょうか。
「『車いすテニスならではの魅力』と『車いすテニスらしくない魅力』、僕は良い意味で『車いすっぽくないテニス』を目指していて、車いすでもボレーに出たり、ドロップショットを打ったり、サーブアンドボレーをしたりっていうのを目指していますし、一般のテニスに近いものを車いすで再現できるプレーヤーになりたいと思っています。そこは今回の全米のテーマでもありますし、常に意識しています。僕がもっと自由にいろんなことにチャレンジしていけば、いろいろなことが変わってくると思いますし、それが盛り上がりにつながってくると思います」
Q. 小田選手のショットはしっかりと車いすのスピードがボールに乗っているイメージがあります。
「そうですね。特にバックハンドの時は、車いすのスピードをつけていって、ラケットに当てるだけというイメージの時はあります。バックハンドは特にそういうふうに打っています。」
Q. 理想のショットが決まった時はどんな気持ちですか。
「常にもっと良いショットを求める気持ちがあるので、そこまで(ショットの余韻に)浸ったりすることはあまりないですが、自分で試合を振り返った時に、このショットは良かったなっていうのは何本もありますし、リターンは特にイメージ通りに行くことが多いです」
Q. 特にサービスゲームにおいては、左利きで、スピードも回転もあり、コースも絶妙ですね。何か意識されていますか。
「特に意識はしていないですが、ただサッカーをやっていたので、フリーキックのようなイメージで打っています。やっぱり止まっている状態で打ちますし、コースが決まっていてゴールの角を狙って打つという意味では同じなので、サッカーを思い出しながら打ったりはしていますね 。自分のタイミングで打つということと、焦って流れで打たないこと、一度深呼吸して打つということは常に意識しています」
Q. クレー(全仏)、芝(ウィンブルドン)で優勝しました。ハードコートが一番得意だと思うのですが、この全米はどう捉えていますか。
「車いすではクレーや芝よりもハードコートは動きやすいので、テニスもやりやすいですし、芝よりは絶対的に自信があります。グランドスラムを連覇している勢いもあるので、この流れでハードコードを戦えるのはチャンスだと考えています」
Q. 世界一になって、タイトルを守らなくてはいけないというプレッシャーはありますか。
「昨年ぐらいから徐々に勝ち出して、今年世界一になったので、感覚的にはまだ始まったばかりです。すごいワクワクといった感じしかなく、そこまで重いものを背負っている実感はないです。プレッシャーがかかった場面でも、まだ17歳だし始めたばかりのプロ2年目で、まだまだここからという時期なので、そういうことを考えるのはまだ先かなと思っています」
Q. 車いすテニスでどんなものをつかみたい、伝えたい、と思っていますか。
「選手としては結果を求められることが多いですし、それがなければ選手としての価値も下がってしまうと思いますけど、ただそれが全てではなくて、まだメジャースポーツの域まではいっていないので、『車いすテニスを見に来る』という人を増やしていきたいです」
Q. 小田選手のテーマでもある「魅せるテニス」を全米の舞台でどう表現しますか。
「自分が見ていて面白いと思うテニスをすることが一番だと思うし、それが他の人にも面白いと伝わると思います。ただ勝つだけではではなく、車いすテニスの魅力や価値を高めていきたいと常に思っています」
小田は1回戦で世界ランク13位のS・ウッデ(フランス)と対戦する。
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