女子テニス協会のWTA公式ツイッターは20日、18日にハンガリアン選手権(ハンガリー/ブダペスト、クレー、WTA250)シングルス1回戦で発生した
ザン・シュアイ(中国)の途中棄権について声明を発表した。ザンはこの試合で世界ランク548位のA・トート(ハンガリー)と対戦していたが、判定への抗議を聞きいられなかったことや会場からのブーイングなどによりパニック発作を起こし、第1セット途中で棄権している。
>>【動画】ザンが放ったショットはインかアウトか?<<>>【動画】ザンが途中棄権を申請した場面、対戦相手はガッツポーズ<<世界ランク45位のザンとトートはこの試合、互いに2度ずつブレークを奪い合いながら第1セット終盤へ突入。ゲームカウント5-5となった第11ゲームで事件は起きた。ザンは渾身のショットを放つがこれはアウトの判定に、ザンはすぐにインか判断を仰ぎ主審はコートに降りてマークを確認したがアウトの判定は覆らず。その後トートがマークを確認した際、足でクレーコートに付いたボールマークを消す仕草をした。
スーパーバイザーを仲介しボールマークの確認を求めていたザン陣営だったが、この行動に言葉を大きくし主審に抗議。しかし主張は認められず、最終的にザンは決定的なゲームを落として5-6と相手のサービング・フォー・ザ・セットを迎えることとなってしまった。
ベンチに戻り呼吸を整えていたザンだったが、抗議中から観客からブーイングが発生していた。トートがワイルドカードで出場した20歳の若手選手だったことも影響していると思われるが、この状況を受けてザンがパニック発作を起こしメディカルが到着。事態は一変し会場中が静かに見守る状況となったが、本人が試合続行不可能と判断し、トートと主審に握手を求め、棄権を申請した。
最後にザンは観客を指差しながら言葉を口にしコートを後にしている。
問題となったショットは動画で見返す限りオンライン上にのっていると思われるが、クレーコートのため主審は目視でインかアウトかを確認。判定は最後まで覆らなかった。
WTAはザンについて声明を発表した。
「WTAは、いかなる状況においても人種差別を一切容認しません。昨日のハンガリー選手権で起きた不幸な出来事とその後については検討中であり、今後対処される予定です」
ザンは試合後にSNSを更新し「練習での努力はすべて間違っていた。なぜなら、よりラインに近いところに打ちたかったのに、ラインに触れていてもアウトだったから......。私を支えてくれたみんな、そして私の味方でいてくれた女の子たちが大好きだ」とコメント。
今回の判定、そしてその後の棄権までに至る過程は多くの現役選手から疑問の声があがっていた。
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