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【GEEK通信】「秋に開催された全仏オープンを振り返ってみました」

■テニスGEEK通信(TENNIS GEEK NEWS)とは テニスギアの「モノ」や「コト」を、深堀し、マニアックに、そしてGEEK(ヲタク)にお届けするコラムです。 ウインザーラケットショップ池袋店スタッフの中居が独自の目線で話題の商品を紹介します。 テニスに関する仕事をして30数年になる大ベテランですが、まだまだヤル気満々でテニスコートに立っているシニアプレーヤーです。
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寒い、ボールが跳ねない、観客がまばらなど今までとはまったく違う環境の中、終わってみれば、R・ナダル(スペイン)選手の強さが例年以上に発揮された大会でした。

ナダル選手は全試合ストレート勝ちで、決勝では対戦成績26勝29敗と分の悪いジョコビッチ選手に、6-0、6-2、7-5と圧倒しました。

ナダル選手はベースライン後方からベビースピンを打ち込むのが、全仏オープンスタイルでしたが、弾まないボールに対してベースライン近くでプレーしていました。

その結果、N・ジョコビッチ(セルビア)選手のドロップショットをことごとく拾いまくり、逆にポイントを奪っていました。

今までとは、まったく違う環境に対応するために努力し、工夫した結果であり、ローランギャロスがナダル選手の庭だったからではありません。

その証拠に、ストリングのテンションを下げていました。

そんなの普通だよと言うかもしれませんが、ナダル選手はもともと、一年中、クレー、ハード、芝でも常に同じテンション(56ポンド)なのです。ナダル選手はもともとラケット、ストリング、テンションを一切変えず、自分のフィーリングを変えていく選手なのです。

普通は、気温が高い、標高が高い、サーフェスが遅い、ボールが弾むなどの場合テンションを上げます。 その逆はテンションを下げ、フォームを変えないようにします。

テンションを固定し、自分の感覚を変えていくナダル選手がそのテンションを変えるのはよっぽどのことです。

13回目の全仏制覇は、19世紀から20世紀にかけてフランスの選手が36回連続優勝した記録とともに破られない記録となるでしょう。 グランドスラム20回制覇もフェデラー選手に並ぶ史上1位の記録です。R・フェデラー(スイス)選手40歳、ナダル選手34歳、恐らくナダル選手が記録更新するでしょう。

今回の全仏オープンで記憶に残る若手選手が3人いました。



1人は、西岡良仁選手、S・ワウリンカ(スイス)選手に勝ち、D・ティーム(オーストリア)選手とフルセットの死闘を演じたユーゴ・ガストン選手(フランス)で、もう1人は4回戦でナダル選手と対戦したセバスチャン・コルダ選手(アメリカ)、そして全仏オープン女子優勝のポーランドのイガ・シフォンテク選手です。



ガストン選手は若干20歳ながら、巧みなドロップショットを操り、相手を翻弄していました。 観ていて飽きない選手です、体格も小柄で日本人が参考になるプレーをしてくれます。



セバスチャン・コルダ選手は、全豪オープン優勝のペトルコルダ氏を父に持ち、プロゴルファーの2人の姉を持つスポーツ一家の2世選手です。 小さい頃から、ナダル選手がアイドルで、飼い猫の名前がラファだそうです。長身から繰り出すサービスは威力十分ですが、アイドルと対戦することが嬉しいのか、ニコニコしていましたし、対戦後にウエアにサインをもらっているようでは、まだまだプロフェッショナルとは言えませんが、才能に溢れている選手なので今後に期待しています。



全仏オープン女子優勝のポーランドのイガ・シフォンテク選手は、19歳とは思えないメンタルの強さを持ち、男子並みの強力フォアハンドを駆使し、ハレプを6-1、6-2で破り、決勝では全豪オープン優勝のケニン選手を6-4、6-1と圧倒し優勝しました。 シフォンテク選手が使用していたラケットがプリンスツアー100で2つの驚きがあります。 1つは、290gの軽量タイプを使っていたこと、もう1つは無契約だったことです。

ツアー100には310gもラインナップされており、男子並みのボールを打つシフォンテクが軽量の290gを選んだ理由が知りたいところです。 個人的な想像としては、バランスではないかと思います。 310gはバランスが310mmとトップライトで、290gはバランスが325mmとややトップヘビーで、スイングウエイトは同じか、290gの方が重たいくらいなのです。

290gで325mmの方が、振り回す打ち方には合っているのです。 ほとんどのプロは、ラケットメーカーと契約をしており、ラケットのサポートを受けています。

たまに、ステンシルを入れずにプレーしている選手がいますが、(ルブレフ選手、アザレンカ選手など)色々なパターンがあります。 契約を迷っている場合、すでに絶版になっている古いラケットを使っている場合、ブランドに縛られずに色々なラケットを試している場合などです。

シフォンテク選手は、ブランドに縛られずに色々なラケットを試している選手に当たります。 当然、メーカーからのサポートはありませんので、市販のラケットを使用しています。 プロストックと言って、プロ専用にカーボンの質を変えたり、フレックスを硬くしたり、ファームコアを注入したりしてあるものを選手に提供しているメーカーもありますが、シフォンテク選手が使用しているラケットは市販のもので、私達が使っているものと同じものです。 プリンスはカーボン繊維にテキストリームと言うF1マシーンに使われている高性能カーボンを使用しているので、市販品と言えどもプロの使用に耐えられたのではないでしょうか。



とは言っても、全仏オープン優勝の選手を放っておくわけがありません。



それでも未契約のままプリンスを使っていたら、プリンスラケットの性能の高さはより確かなものとなるという見え方もあるでしょう。

シューズとウエアはアシックス契約で、当時は全身白を基調にしたウエアを着用していました。

日本びいきで、白が好みとなれば、日本限定の白いツアー100を使ってくれるかもしれませんね。



シフォンテク選手次の大会が楽しみです。




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(2020年12月14日15時23分)

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