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男子テニスツアーのハッサン２世グランプリ（モロッコ/カサブランカ、賞金総額４６万７８００ユーロ、クレー）は９日、シングルス１回戦が行われ、この日２名のシード勢が敗退する波乱に見舞われた。第５シードのＪ・メルツァー（オーストリア）がＴ・カムケ（ドイツ）に3-6, 3-6、第６シードのＤ・ヒメノ=トラベール（スペイン）もＧ・ガルシア=ロペス（スペイン）に6-7 (5-7), 6-3, 3-6のフルセットで敗れ、初戦で姿を消した。

メルツァーとカムケは、先月アメリカのマイアミで行われたソニー・オープンの３回戦で対戦し、メルツァーがフルセットで勝利していたが、この日はカムケがその時のリベンジを果たし、対戦成績を１勝１敗とした。

世界ランク３７位のメルツァーは同８１位のカムケに、第１セットの第１ゲームでこの試合唯一のブレークをしたものの、その後はカムケから１度もブレーク出来ず、各セットで２度のブレークを許し、１時間１４分のストレートで初戦敗退を喫した。

一方、同４９位のヒメノ=トラベールも同９９位のガルシア=ロペスに、第１セットはタイブレークの接戦の末に落とすも、第２セットでは３度のブレークに成功し、勝敗の行方は第３セットへ突入する。その第３セットでヒメノ=トラベールは１度ブレークするも、２度のブレークをガルシア=ロペス許し、２時間２８分の接戦の末に敗退した。

カムケは元世界ランク５位のＴ・ロブレド（スペイン）と、ガルシア=ロペスはＡ・モンタネス（スペイン）を3-6, 6-4, 6-4の逆転で下したＥ・ロジェ=ヴァセラン（フランス）と、それぞれ準々決勝進出をかけて２回戦で顔を合わせる。

この日登場したシード勢で唯一勝利を飾ったのが第８シードのＧ・ゼミヤ（スロベニア）で、Ｍ・バッヒンガー（ドイツ）を6-7 (3-7), 7-5, 7-6 (7-2)の大接戦の末に退け、２回戦へ駒を進めた。

第１セット、両者１度ずつのブレークからタイブレークへともつれたが、世界ランク１０４位のバッヒンガーが７－３で制し、このセットを先取する。しかし、第２セットは両者２度ずつのブレークから終盤で３度目のブレークを同５５位のゼミヤに許し、勝敗の行方は第３セットへ。

第３セット、３本のダブルフォルトを犯すゼミヤの隙をつき、バッヒンガーが１度ブレークに成功する。しかし、５本のサービスエースを記録したバッヒンガーだったが、ファーストサーブは４４パーセントしか入らず、ゼミヤにセカンドサーブを攻められ１度ブレークを許し、このセットもタイブレークへ。そのタイブレークを７－２で制したゼミヤが２時間４２分のマラソンマッチを制して勝利をものにした。

ゼミヤは２回戦で、予選を勝ち上がったＨ・ラークソネンと対戦する。この日ラークソネンは、主催者推薦で出場のＹ・リチディを6-3, 6-7 (6-8), 6-1で下したの勝ち上がり。

この日行われた試合結果は以下の通り。

●Ｊ・メルツァー (5) vs. ○Ｔ・カムケ, 3-6, 3-6
●Ｄ・ヒメノ=トラベール (6) vs. ○Ｇ・ガルシア=ロペス, 6-7 (5-7), 6-3, 3-6
○Ｇ・ゼミヤ (8) vs. ●Ｍ・バッヒンガー, 6-7 (3-7), 7-5, 7-6 (7-2)
○Ｅ・ロジェ=ヴァセラン vs. ●Ａ・モンタネス, 3-6, 6-4, 6-4
●Ｙ・リチディ vs. ○Ｈ・ラークソネン, 3-6, 7-6 (8-6), 1-6
●Ｐ・Ｈ・マチュー（フランス） vs. ○Ｆ・ボランドリ（イタリア）, 3-6, 5-7
●Ｐ・アンドゥハル（スペイン） vs. ○Ｐ・カッレノ=ブスタ, 4-6, 6-2, 3-6
○Ａ・ベデネ（スロベニア） vs. ●Ｍ・ジケル（フランス）, 6-1, 6-4

今大会の優勝賞金は７万４０００ユーロ。


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(翻訳・記事/弓削忠則)