アメリカに基盤を持つ国際人権団体 ヒューマン・ライツ・ウォッチ(HRW)は22日に声明を発表し、元女子ダブルス世界ランク1位の
ペン・シュアイ(中国)が21日にIOC国際オリンピック委員会のトーマス・バッハ会長らとビデオ通話を行ったことについて「アスリートの権利と安全を含む人権に対する責任を損なうもの」と批判した。
>>IOCが発表したシュアイとのビデオ通話の内容<<>>【YouTube】新作ラケット3機種を茶圓プロが打ち比べインプレ、黒塗りデモ版ラケットの正体が明らかに!開発までの苦悩とは<<シュアイは今月、2012年から2017年の間に中国共産党幹部から性的暴行を受けていたと告発。それ以降正確な所在がつかめずテニス界のみならずスポーツ界全体でも心配の声が広がっており、女子テニス協会WTAの会長であるスティーブ・サイモン氏は「私は彼女の健康と安全を心配しており、性的暴行の疑惑が検閲され隠蔽されていることを懸念している。 私は何をすべきかを明確にしており、中国との関係は岐路に立たされている」と発言していた。
しかし、21日には国際オリンピック委員会がシュアイとバッハ会長らのビデオ通話の様子を画像で公開。シュアイの「今は自分のプライバシーを尊重してほしい」という説明を掲載した。
国際オリンピック委員会の発表を受けヒューマン・ライツ・ウォッチは「IOCの声明によると、通話中にシュアイさんは『元気にしている』『リラックスしている』ように見え、『自分のプライバシーを尊重してもらいたい』と述べたそうです。IOCは、他の関係者がシュアイさんと連絡を取るのが困難であることを考慮して、ビデオ通話がどのように行われたかについては説明していません」とコメント。
続けて同団体の中国担当であるワン・ヤキュウ氏のコメントを掲載した。
「IOCは言論の自由を損ない、性的暴行の疑いを無視する中国当局との積極的な協力関係にまで発展した。オリンピックに参加する選手の権利と安全よりも、重大な人権侵害者(中国政府)との関係を重視しているようだ」
中国では2022年2月に北京オリンピックの開催を予定しており、シュアイの告発の影響を重く見た国際オリンピック委員会が今回のビデオ通話を公表したと同団体は批判している。
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