男子テニスで今年3月に世界ランク58位へ上り詰めた
西岡良仁は24日、tennis365.netの独占インタビューに応じた。休養中の心境や活動、さらに復帰に向けて語った。
「(けがをして以降、メンタル面の波は)あまりなかったです。逆にやりたいことが増えました。脚が治ってきたら乗馬をやったり、色んなつながりを持とうと思い、人の出会いを増やしました。退屈はなかったです。テニスの試合からは離れましたが、違うことで忙しかったです。今年はもう少しランキングを上げられた、上を狙えたとかは思いましたが、けがをしている間も充実していました」
【「練習再開の初日は、学生選手にボコボコにされた」】現在22歳の西岡は、今年3月のアビエルト・メキシコ・テルセル(メキシコ/アカプルコ、ハード、ATP500)準々決勝で
R・ナダル(スペイン)に善戦。BNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)ではマスターズ初の16強入り、4回戦で
S・ワウリンカ(スイス)とフルセットの激闘を演じた。しかし、マイアミ・オープン(アメリカ/マイアミ、ハード、ATP1000)で負った左脚の前十字靭帯断裂により、ツアー離脱を余儀なくされた。
手術を経て、順調な回復を見せている西岡は、現在学生の選手たちとポイント練習などを行い2018年へ向けて調整しているが、再開当初は『試合勘』を取り戻せず、これまでとのギャップを感じていた。
「(練習再開の)初日や2日目は厳しかったです。初日は学生選手にボコボコにされました。9ゲームくらいやって、2ゲームしか取れなかった。けがの恐怖心はなかったので、これまでのようにスライドしていると、コーチたちから『遠いボールのスライドは控えて』と言われました」
「1番は『試合勘』がなくなっていたことです。ジュニアの頃にもけがをして半年ほど休んだことがあり、その時と同じでした。ポイントをどう組み立てていけばいいかわからなくなっていました。解説とかもやらせていただいて他の選手の試合は見ているのですが、いざ自分がやるとわからなかった。今までの感覚がゼロになっていた。それにびっくりしました」
その『勘』を取り戻したキッカケは、「やるしかない」という決心だったと述べた西岡は「ポイント練習は強く打つだけではなく、緩急をつけなければいけない。ポイント練習を始めた頃は、それを実行することが難しかったです。今は『勘』を取り戻しつつあります。課題はサーブを打った後、相手のリターンからの3球目の反応が遅いこと。これは反射的なものでもあるので練習を積んでいます」と手応えを得ている。
【「ジュニアに還元したい。今の自分は影響力がある」】テニスの試合から離れた西岡は休養中にSNSやYouTubeで自身の活動を発信、さらにジュニアの大会やイベントなどがあれば自ら足を運んだ。
活発的な活動の理由について「僕はテニスという競技に誇りを持っていますし、ジュニアに還元したいと思っています。今の自分は影響力があると思いますが、テニスをやめると影響力がないと思っているので、全小・選抜・全日本に行って少しでも刺激になってくれればと思っています」と自身の考えを明かした。
特に印象に残っているのは、地元の三重県津市で行われたイベントと西岡は話した。
「地元のイベントは少し今までと違いました。ジュニアも大人の方にも来ていただいた。津市でもテニスをやってくれていると思うと嬉しかったです」
YouTubeは「yoshi'sチャンネル」を開設し、リハビリやトレーニングの様子、ユーザーからの質問コーナー、さらに自身が料理をする動画を投稿した。
「僕自身、家にテレビがなく、YouTubeでしか見ていないです。単純にYouTubeが面白いと思ったのと、テレビよりも見ている人が多いと聞いた。テニス選手は露出が少なく、知名度も低いと感じていました。露出が少ないのであれば、自分から発信するしかないと思い、投稿しています。YouTubeならどこでも投稿できるので、海外に行っていても投稿する予定です。実際にやってみて楽しいです。コメント欄を見ても需要はあると思います」
【復帰は2018年1月1日からの豪チャレンジャー】西岡は2018年1月1日からオーストラリアで行われるATPチャレンジャーで復帰すると話した。
「最初はどの大会に出るか迷っていて、コーチやエージェントと話をして決めました。勝てるかわからないですが、レベルを少し落としてチャレンジャーに出ようと思いました」
その後はエキシビションマッチのクーヨン・クラシック(オーストラリア/クーヨン、ハード)、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)への出場を予定している。
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