男子テニスで世界ランク2位のN・ジョコビッチ(セルビア)は、現在2017年に向けて備えている。今シーズン終盤では
A・マレー(英国)に抜かれ世界ランク2位へ後退するなど満足のいく戦いが出来なかったが、2017年で巻き返しを狙う。
今年は全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、グランドスラム)で2連覇と6度目の優勝。全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)では悲願の初優勝を果たし、史上8人目となる生涯グランドスラムの快挙を成し遂げた。
シーズン前半で圧倒的な強さを見せていたジョコビッチの1強時代と囁かれたが、徐々に歯車がかみ合わなくなっていった。
ウィンブルドン(イギリス/ロンドン、芝、グランドスラム)は3回戦敗退。リオデジャネイロ・オリンピック(ブラジル/リオデジャネイロ、ハード)では1回戦で元世界ランク4位の
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)と対戦する厳しい組み合わせに入り、初戦で姿を消した。
全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード、グランドスラム)は決勝へ駒を進めたが、準優勝に終わった。
その後も上海マスターズ(中国/上海、ハード、ATP1000)準決勝で敗退。BNPパリバ・マスターズ(フランス/パリ、ハード、ATP1000)では
M・チリッチ(クロアチア)に敗れ、世界ランキングで2014年の7月7日から守ってきた世界ランク1位の座から2年ぶりに2位へ転落することが決定。記録は122週でストップした。
そんな状況でもATPワールドツアー・ファイナルズ(イギリス/ロンドン、室内ハード)では安定した戦いを見せて決勝進出。しかし、マレーにストレートで敗れ、5連覇と
R・フェデラー(スイス)に並ぶ史上最多6度目の優勝とはならなかった。また、世界ランキングで3年連続5度目の年間1位も逃した。
決勝戦後、ジョコビッチは「アンディ(マレー)を称える。彼は勝者に値する。精神的にタフで、正確なショットを打ってきて、1本でも多くのボールを返してきた」と称賛した。
2016年の前半はジョコビッチ、後半は新王者マレーが男子テニス界を支配した。
ジョコビッチの2017年はカタール・エクソンモービル・オープン(カタール/ドーハ 、ハード、ATP250)からスタートする。そして、グランドスラムで相性が良い全豪オープンで3連覇と7度目の優勝を狙う。
12月に入ってからジョコビッチは、自身のフェイスブックに練習風景の写真を投稿するなど、来シーズンへ向けて順調に調整していることをアピールしている。
2017年はジョコビッチとマレー王者争い、さらにその下にいる
M・ラオニッチ(カナダ)、
S・ワウリンカ(スイス)、
錦織圭らとの熾烈な戦いが予想される。
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