22日に開幕するテニスの全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)は、昨年の11月に起きたパリ同時多発テロを受け、かつてない厳しい警備が引かれる中で開催される。
>>全仏オープン対戦表<<フランステニス協会(FFT)は、大会会場であるローランギャロスへ入場するためには、3回ものセキュリティチェックを義務づけ、観客はボディチェックを受けなければならないと語っている。
FFTによると、正式な警備会社の数は明らかにしていないものの、昨年と比べて25パーセント増員しているとだけ伝えられている。
会場の外には二重の防御壁を設置し、加えて警察犬も導引する。
「選手達からも時々質問されるのは事実だが、彼等は全体的に満足している。これまでも必要な警備をしてきたのは知っているが、今年は更なる警備を引くことになる。」と全仏オープン主催者の
G・フォルジェ(フランス)は20日に語った。
昨年は、若者が警備を潜り抜けスタンドからコートへ飛び出し、
R・フェデラー(スイス)に駆け寄り携帯で画像を撮ろうと近づく騒ぎがあった。
2009年の決勝戦では、ファンがコートへ走り込み、試合をしていたフェデラーに帽子を被せようとして試合が中断する場面があった。3年前の決勝戦では、
R・ナダル(スペイン)と
D・フェレール(スペイン)の一戦でも発煙筒を持った男がコートへ侵入する騒ぎがあった。
ナダルは「大会関係者は皆、選手だけではなく全ての人達にとって安全な大会にするために働いてくれると信じている。もちろん、ファンにとってもね。」と自身の想いを語っていた。
過去の事件を問われて男子世界ランク1位の
N・ジョコビッチ(セルビア)は「これまでこの大会で、警備上に問題があったとは感じていない。」と話し「数カ月前のパリでの事件や、世界で起きているテロを考えると、警備をより一層厳しくする必要がある。」
130人もの犠牲者を出したパリの同時多発テロを受けて、フランスは高い警戒レベルを更に2カ月延ばし、5月から6月に行われる全仏オープン、ヨーロッパ選手権、そしてツール・ド・フランスも厳戒体制の中で行われる。
限られた場所では、人々の行き来や車の往来も制限されている。
フォルジェは、パリ市警との協力のもとに行われる全仏オープンでの警備によって、スタジアムの入り口では、より長い列が出来てしまうかもしれないと語る。入り口には金属探知器などを設置し、入念な検査が行われるからだ。
20日に行われたドロー・セレモニーの数時間前、セキュリティのチェックもなしに会場へ入ろうとした救急隊員でさえ、ファンやジャーナリストと一緒に並んでチェックを受けるように指示されていた。
女子世界ランク1位の
S・ウィリアムズ(アメリカ)は、警備の変化に気付いたとしながら「それは多くの選手が望んでいること。もっとセキュリティを厳しくしても良いくらい。」と気持ちを述べていた。
(STATS - AP)


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