18日に開幕するテニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/ メルボルン、ハード)は15日、昨年チャンピオンの
N・ジョコビッチ(セルビア)と
S・ウィリアムズ(アメリカ)が優勝トロフィーと共に組合せのセレモニーに登場した。
2015年、両者は3度のグランドスラム優勝を飾り、他を圧倒する強さでシーズンを終えた。しかし、今季に入ってからジョコビッチは開幕戦のカタール・エクソンモービル・オープンで優勝して昨年の勢いを継続させているが、セリーナはエキシビションのホップマン・カップを左膝の炎症のために棄権する対照的なスタートとなった。
両者が唯一共通しているのは、月曜日から始まる全豪オープンで、いずれも優勝候補筆頭であるということ。
これまでジョコビッチは5度、セリーナは6度の優勝を飾っており、いずれも全豪オープン決勝戦では負け知らずの成績を残している。
15日に行われた組合せのセレモニー前に、2人はメインスタジアムであるロッド・レーバー・アリーナの前で詰めかけた記者達へ向かってトロフィーを手にするポーズを見せていた。
シーズンが始まってまだ2週間しか経っていないものの、女子テニスのトップ10選手はセリーナを始め、怪我などで欠場や棄権する選手が続出している。
セリーナはホップマン・カップでわずか1セットしかプレーせず、左膝の炎症でその後の試合全てを棄権した。世界ランク2位の
S・ハレプ(ルーマニア)はアキレス腱の怪我、同5位の
M・シャラポワ(ロシア)は左前腕の怪我でいずれも開幕戦のブリスベン国際女子を欠場。同3位の
G・ムグルサ(スペイン)は今季最初の試合中に足の怪我を理由に棄権敗退を余儀なくされた。
同4位の
A・ラドワンスカ(ポーランド)は足の怪我、同6位の
P・クヴィトバ(チェコ共和国)は体調不良のために出場を予定していた開幕戦を欠場し、同9位の
L・サファロバ(チェコ共和国)は細菌感染症を患い既に全豪オープンの欠場を申し入れている。同7位の
A・ケルバー(ドイツ)はブリスベン国際女子で決勝進出するも
V・アザレンカ(ベラルーシ)に敗れて準優勝を飾ったがアピア国際シドニー女子を胃腸疾患で欠場。
セリーナとシャラポワは全豪オープンの会場であるメルボルン・パークで練習を始めているが、怪我を負っている仕草を見せる場面が見られた。
年間グランドスラムをかけて臨んだ昨年の全米オープンでセリーナは、準決勝でまさかの敗退を喫すると、その後は大会に出場することなくシーズンを終えていた。そんなセリーナだが、10月にはまた練習を再開しており「なぜなら、テニスが恋しくなってしまったから。」と語っていた。
セリーナはホップマン・カップの時、膝の怪我について軽傷であることをアピールしていた。
「全てはとても良くなっている。本当に良い感じになっていて、大会へ向けてエキサイトしている。今は準備万端。」と15日に記者達へ語っていた。
1回戦では2015年を世界ランク34位で終えた
C・ジョルジ(イタリア)と対戦する。ジョルジはシード選手を除くと最高ランクの選手である。
順当に勝ち上がると4回戦で元世界ランク1位の
C・ウォズニアキ(デンマーク)との対戦が濃厚で、準々決勝ではシャラポワとの対戦する可能性が高い。セリーナとシャラポワが対戦する場合、2015年の決勝戦と同じ顔合わせとなる。
2008年の全豪オープン覇者であるシャラポワは、開幕戦の欠場は単純に怪我を悪化させないための予防策に過ぎないと述べていた。
「誰もがもっと多くを期待していたと思う。健康でいられるために、そしてグランドスラムへ万全の状態で臨むためにも、出来ることはしなければならない。だから、時にはあんな決断を下すこともしなければならなかった。」とシャラポワは、欠場を決めた理由について説明していた。
シャラポワらの欠場で、アザレンカにとっては2013年以来の優勝への道が開け、2度の怪我に泣かされた昨シーズンに失った自信も取り戻すきっかけにもなった。元世界ランク1位のアザレンカは、第14シードで全豪オープンへ臨む。
アザレンカは、第2シードのハレプや第3シードのムグルサ、第8シードの
V・ウィリアムズ(アメリカ)がいるボトムハーフにおり、セリーナやシャラポワとは決勝戦まで対戦することはない。
(STATS - AP)
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