男子テニスツアーの上海マスターズ(中国/上海、ハード)は18日、シングルス決勝が行われ、第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)が第16シードの
JW・ツォンガ(フランス)を6-2, 6-4のストレートで下して今季9回目の優勝を飾った。
この大会ではずっと赤のウエアで試合へ臨んでいたジョコビッチ。それは大会開催国である中国の国旗の色と合わせたもので、多くの地元ファンからの声援も味方につけていた。
「これは中国のラッキーな色だと知っていた。だから、その色のウエアは幸運を呼んでくれる。」と語るジョコビッチは、前週に行われた北京でのチャイナ・オープンでも大会6度目の優勝を飾り、今大会も2年ぶり3度目の優勝を飾る好調さを見せた。
そして、この日の決勝もツォンガ相手に1時間18分の快勝だったジョコビッチは、2週連続で1セットも落とさない好調ぶりで、今回で全米オープンから始まった連勝を17へと伸ばした。
「この2週間はテニス人生の中でも最高だった。体力的にも最高で、全く疲れを感じていない。多くのパワーと高い集中力に加えて質の高いテニスが北京の初戦から今日の試合まで続けられた。」と、自身のプレーに対する気持ちを語っていた。
ジョコビッチは例年、全米オープン後のアジア・シーズンで好成績を残している。多くの選手が長いシーズンの終盤に入って、怪我の治療をしていたり、疲労が蓄積されている時期でもあるからだ。
テニスの質については「この2週間で1度しかタイブレークにならなかったのは素晴らしいこと。そう考えるとここまでのテニスにはとても満足している。」と自身に合格点をあげていた。
そして、詰めかけたファンの応援も大きな力になっていたのも事実。スタジアムを埋めたファンは、セルビアの国旗を掲げてジョコビッチを応援し、自身にセルビアの名をつけていたり、セルビアの国歌を覚えているファンがいたことを大会の序盤で既にジョコビッチは気付いていた。
ジョコビッチはそんなファンへの感謝の気持ちを表すために、勝利後にカメラへサインを書く度に色々な漢字も添えていた。特に「愛」や「幸」が彼のお気に入りだった。そしてスピーチでも中国語を交えるサービス精神も見せていた。
「もっと言葉も覚えなければならない。もう何年も同じことしか言えていないからね。」とジョコビッチは笑いながら語っていた。
今年のジョコビッチは、中国だけで強かったわけではない。彼の今年の強さはどこでも見られていた。そして、これから行われるパリでのマスターズ大会と男子ツアー最終戦での活躍が期待される。
(STATS - AP)
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