テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は9日、女子シングルス準々決勝が行われ、第2シードの
S・ハレプ(ルーマニア)が第20シードの
V・アザレンカ(ベラルーシ)を6-3, 4-6, 6-4のフルセットで下しベスト4入りを決め、初のグランドスラム優勝まであと2勝に迫った。
>>全米オープン対戦表<<この試合、第3セットの第4ゲームの時、突然雨が降り始め試合は一時中断。そして1時間25分後に試合は再開された。
第1セットを先取したハレプだったが、第2セットは徐々にアザレンカに流れが傾いていた。
「雨が降ってくれて本当に良かった。」とハレプは試合直後のオンコート・インタビューで語るほどだった。
中断後にリフレッシュしてコート戻ったハレプは、168cmと小柄な体ながら170キロのサービスエースを決めるなど、気持ちを切り替えたのがプレーにも表れていた。
アザレンカはこれまで2度のグランドスラム優勝を飾っていた。この全米オープンでも、2度の準優勝も果たしている。そんな彼女の大舞台での経験はこの日の試合にも垣間見ることが出来た。一方のハレプはこれまでグランドスラムではベスト4以上へは2度進んでいたが、この全米オープンではこれが初めてだった。
試合を通してハレプは、40本のウィナーを叩き出し、凡ミスはわずか19本。アザレンカはというと、ウィナーは38本ながら凡ミスは42本も犯していた。しかしながらこの試合が接戦となったのは、大切な場面ではアザレンカの方が良いプレーをしていたからだ。
アザレンカは掴んだブレークチャンスの5度全てを手にしたが、ハレプは19度もブレークチャンスを握りながら6度しか成功させることが出来なかった。
しかし両者を通じて最後のブレークチャンスは、第3セットのゲームカウント3ー3から迎えたアザレンカのサービスゲームだった。そしてハレプはそれをしっかり手にすると、そのまま自身のサービスをキープして勝利をおさめた。
この日のハレプの試合は、同じルーマニア出身で器械体操の金メダリストのナディア・コマネチが観戦し、ハレプへ声援を送る中での勝利だった。
「自分のファミリー・ボックスに、偉大なチャンピオンがいてくれてパワーをもらえた。そして彼女(コマネチ)は、私のプレーを喜んでくれていた。」とハレプは嬉しそうに語っていた。
敗れたアザレンカは「正直なところ、彼女(ハレプ)のストロークの速さにちょっとびっくりしたわ。」と、ハレプのプレーに驚かされていたことを明かした。
アザレンカは2度の怪我から復帰したために現在はランキングを落としており、今大会も第20シードでのエントリーとなっていた。グランドスラムでは2013年の全米オープン以降、準決勝進出がない。その間ハレプは、昨年の全仏オープンで準優勝を飾るなど、ランキングを大きく上げていた。
準決勝でハレプは、第26シードの
F・ペネッタ(イタリア)と対戦する。この日の準々決勝でペネッタは、第5シードの
P・クヴィトバ(チェコ共和国)を4-6, 6-4, 6-2の逆転で下している。
前日に行われた女子シングルス準々決勝2試合のいずれもフルセットになったことで、女子シングルス準々決勝4試合全てがフルセットとなった。これは1982年の全米オープン以来、グランドスラムでは初めてのこと。
(STATS - AP)
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