テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)で26日に行われた男子シングルス1回戦で主催者推薦のQ・アリス(フランス)を6-3, 6-3, 6-4で下し、今大会10度目の優勝へ好発進した第6シードの
R・ナダル(スペイン)は、審判に対する不満の声をあげた。
ナダルは男子テニスツアーを管轄しているATPに向けて、公式戦で主審を務めるカルロス・ベルナルベス氏を自身の試合で審判をしないようにと要請した。それはこれまで両者が口論になった事を受けての事。
この日の勝利後の会見でナダルはベルナルベス氏を尊敬してはいるものの、「しばらくは同じコートに立たない方がお互いのために良いと思う。」と自身の思いを語っていた。
それは2月にナダルが出場したブラジルはリオデジャネイロでのATP250大会の試合での事だった。短パンを逆に履いてしまったナダルは、履き替えるためにロッカールームに戻りたいとその時主審を務めていたベルナルベス氏に要求したものの、ベルナルベス氏はもしそうしたら制限時間を越えた時に与える警告に相当するとナダルの要求を退けていた。
「それはフェアじゃないと思う。」とナダルはその時を振り返った。
全仏オープンでは、フランス・テニス協会がどの試合にどの審判が主審になるかを決めている。フランス・テニス協会のスポークスマン曰く、ナダルから全仏オープン期間中にベルナルベス氏を避けたいと言う要求は受けていないと言う。しかしながら、両者の現在の関係を知っているため、二人を同じコートに立たせる事はないのではないかと見られている。
ATPのスポークスマンであるシモン・ヒグソン氏は、どの試合に誰を主審にするかに関して、詳しいコメントは控える方針でいると語る。選手が特定の審判に対して自身の試合から遠ざけると言う事についてヒグソン氏はメールで「このようなリクエストは珍しい事ではない。選手側からも審判側からも。」と回答していた。
この日、1回戦に登場して同じく勝利を飾った第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)は、このようなリクエストをした事があるかと問われると、その経験はないし通常あまり見られない事ではないかと答えていた。
「これまでの自分の試合でも、不快に思うような事をされた主審がいたのを覚えている。」と語るジョコビッチ。
「でもその事でその主審をどれくらいかに関わらず、自分の試合に立たせないで欲しいと要求しようと思った事は一度もない。それはフェアじゃないように思える。主審達にとってもフェアじゃないと思う。彼等も最善を尽くして仕事をしているはずさ。もちろん良い時もあれば悪い時もあるけどね。」と自身の意見を述べていた。
>>全仏オープン男子ドロー表<<
■関連ニュース■
・ナダル、自身に合格点・ナダル不安消す 目指すはV10・死のブロック ジョコとナダル
■最新ニュース■
・世界21位ガスケ チャンス逃さず・錦織 2回戦を警戒「強敵」・ソックがシードダウン演出