テニスのグランドスラムである全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー)は開幕初日の24日、男子シングルス1回戦が行われ、第5シードの
錦織圭(日本)が主催者推薦の
P・H・マチュー(フランス)を6-3, 7-5, 6-1のストレートで下し、グランドスラム初優勝へ幸先の良いスタートを切った。
試合序盤からファーストサービスの確率が悪いながらも試合を通して7本のサービスエースを決め、ストローク戦でマチューを圧倒し2時間10分で勝利をものにした錦織。
「安定したプレーが出来たと思う。3セットとも簡単に行くのはなかなか難しい。多少のアップダウンもある中でも、最後までしっかり戦い抜けたと思う。」と錦織は苦しめられた第2セットを振り返り語っていた。
昨年の全米オープンで準優勝を飾っている25歳の錦織は、クレーシーズンに入って、スペインはバルセロナで大会2連覇を達成すると、続くマドリッドでのマスターズ1000大会ではベスト4、ローマでのマスターズ1000大会ではベスト8と安定した成績を残している。
13歳の若さでアメリカへ移り住んだ錦織は、昨年から元全仏オープン覇者である
M・チャン(アメリカ)氏をコーチに迎えると、世界ランクも自己最高位の4位を記録するなど、世界のトップ選手の仲間入りを果たした。
そしてそんな錦織に引っ張られるかのように、今年の全仏オープンには錦織含め日本男子選手が5人も本戦の舞台で戦うこととなった。これは1967年に6人が出場した時以来となる最多人数で、他のグランドスラム合わせても1973年のウィンブルドンに5人がエントリーして以来の事となった。
その1人である
添田豪(日本)もこの日の1回戦に登場したが、第22シードの
P・コールシュライバー(ドイツ)の前に1-6, 0-6,2-6と敗退したが、錦織は今の日本男子テニス界に明るい未来を感じている。
「ここでこうして沢山の日本人選手を見られるのは最高の事。日本では男子テニスはどんどん良くなっていると思っている。」と語る錦織。
錦織自身がプロとしてツアー・デビューした時は、
松岡修造(日本)氏が記録したそれまで日本人男子最高ランクを越える事を目標として“プロジェクト45”というニックネームを付けられていたが、今ではトップ5にいる選手となった。
そんな錦織と添田に加え、
伊藤竜馬(日本)が本戦にストレートインしていたが、今回の全仏オープンには予選を勝ち上がって本戦への切符を手にした選手がいる。それが
ダニエル太郎(日本)と
西岡良仁(日本)の2人。
錦織は「その2人の若手も素晴らしいテニスを見せてくれている。2人とも去年の全米オープンでも予選を勝ち上がっていたし、また今回もそれを勝ち抜いた。それは日本テニス界にも嬉しいニュースになっている。」と思いを述べていた。
昨年錦織は腰の怪我を抱えており、1回戦で姿を消していた。今年は万全の状態で臨んでいる全仏オープン。今後の勝ち上がりに期待がかかる。
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