テニスのグランドスラムであるウィンブルドン(イギリス/ ロンドン、芝)を主催するオール・イングランド・クラブ(イギリス・テニス協会)は28日、今年の賞金総額を昨年より約7パーセント増額し2,675万ポンド(約48億5,000万円、約4,060万ドル)に増額すると発表した。
男女シングルスの優勝者はそれぞれ188万ポンド(約3億4,000万円、285万ドル)を受けとるとここなる。
このことでプロテニス競技では、昨年の全米オープンの賞金総額だった3,825ドル(約45億5,000万円)を抜き史上最高額の大会となると、大会主催者は語った。
2011年のウィンブルドンの賞金総額は1,460万ポンド(約26億5,000万円、2,240万ドル)だったが、この4年間で約2倍にと跳ね上がったことになる。
この増額は早期敗退者にも影響を及ぼしている。1回戦で敗退した選手にも、昨年末2万7,000ポンドから今年は2万9,000ポンド(約530万円、4万4,500ドル)が支払われる。
大会主催者であるフィリップ・ブルック氏は、この賞金総額はウィンブルドンがテニス界の頂点にある大会であるステータスを維持する事となり、優勝者だけに高額な賞金が支払われていると言う見方を否定していると述べていた。
ブルック氏は「世界のトップ選手達を除いては、世界最高の大会を開く事は出来ない。ウィンブルドンには選手達が必ず必要な要因であり、この賞金総額は我々の大会にはふさわしい物である。そのため、選手達に支払われる今年の賞金はそれ相当の額である事が大切であると感じている。」と自身の見解を語っていた。
昨年の優勝者である
N・ジョコビッチ(セルビア)と
P・クヴィトバ(チェコ共和国)が受け取った優勝賞金の176万ポンド(約3億2,000万円)から、今年は7パーセント増額される。
男女ダブルスの優勝者は、昨年より1万5,000ポンド増額となる34万ポンド(約6,200万円、52万ドル)がそれぞれ支払われ、ミックスダブルスの優勝者も4パーセント増額となる10万ポンド(約1,820万円、15万3,000ドル)が支払われる。
今年のウィンブルドンは6月29日から7月12日まで行われる。これまでは、その前に行われるグランドスラムである全仏オープンとは2週間の間を置いていたが、今年から初めて3週間の期間を置いて開催される。
主要なコートで使用されるチャレンジ・システムに必要なホークアイを12番、18番コートにも設置するとイギリス・テニス協会は発表しており、そのことで今年のウィンブルドンは6つのコートでこのシステムが使用されることとなる。
同時に、観客の収容人数も昨年より500人増える3万9,000人となる。これは、昨年工場中だった14番と15番コートが今年はまた使用可能になった事を受ける。そのため、19面のコートを今年は使用しながら大会が行われる。
大会関係者の話では、1番コートに設置中の移動式屋根は予定通りに工事が進んでおり、2019年の大会までには工事が完了する予定である。
イギリス・テニス協会のリチャード・ルイス会長は、ウィンブルドンの放映権をこれまで長年契約し続けたイギリス放送協会であるBBCから衛星放送であるスカイ・チャンネルへ売り渡したとする憶測を否定していた。
「世間で囁かれているような事は全くの憶測に過ぎない。我々はBBCとはとても強い関係を持っており、これまでも何の問題もなく関係を続けている。それを変える理由は全く見当たらない。絶対と言う事は言えないが、近い将来での変更は考えられない。」と、これまでの関係を継続する事を明かしていた。
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