女子テニスのBNPパリバ・オープン女子(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、賞金総額5,381,235ドル、優勝賞金900,400ドル)に第1シードでエントリーしている
S・ウィリアムズ(アメリカ)は、今年の出場は2001年に優勝して以来の出場となるが、暖かい歓迎のムードに包まれている。
2001年、当時19歳だったセリーナは準決勝で実の姉である
V・ウィリアムズ(アメリカ)と対戦するはずだったが、試合開始わずか20分前にヴィーナスが怪我を理由に棄権しブーイングを受け、翌日の決勝戦でも更なるブーイングを浴びさせられ、それ以降大会出場をボイコットしていた。
今大会シード選手全員が1回戦を免除されているため、セリーナも2回戦が初戦となる。その2回戦でセリーナは、
M・ニクルスク(ルーマニア)と金曜日のナイトマッチで対戦する。
「センターコートに立つのを楽しみにしているし、自分や家族割が傷つけられようと、どんな場面に直面しても強い自分でいながら“それでもそこに立って、それを乗り越えて出来る限り最高な人間でい続けるのよ ”って言いながら、どんな事があっても問題ないんだと全世界に分からせる事も楽しみにしているの。」とセリーナは、木曜日に行われた会見で語っていた。
セリーナはこれまで今大会には3回出場し2度の優勝を飾り、14勝1敗の成績を残している。
セリーナが出場していなかった間も成長し続けていたこの大会だったが、彼女の復帰は大会関係者からも歓迎された。今大会は約2週間に渡って行われ45万人が訪れると言うグランドスラムに次ぐ観客動員数を誇る大会の1つとなっている。
セリーナのスポンサーであるナイキは、金曜日のロサンゼルス・タイムズのスポーツ部門の裏表紙にフルカラーの広告を載せている。その広告はセリーナが彼女独特のネイルアートを施した手でトスを上げているものだった。
そしてそこには「19歳の時、人生で一番辛いサービスを打たなければならなかった。どうやって対処して良いのか分からないサービスを。時間しか解決してくれないと思った物だった。18回のグランドスラム優勝なんて簡単に忘れ去ってしまうようなもの。でもやっと分かったの。実際にそのサービスを受けなければ、そのサービスをリターンする事が出来ないって」と書かれていた。
セリーナの親友の一人である
C・ウォズニアキ(デンマーク)は、彼女が今大会に帰ってきた事を喜んでいる選手の一人でもあった。
「彼女(セリーナ)にとって大きなステップ。そして彼女はそれをしっかりやり遂げてくれるのは私も分かっているわ。」とウォズニアキはセリーナの復帰に対してコメントしていた。
実の姉であるヴィーナスは今年も出場を予定していない。それでもヴィーナスや家族もセリーナの決断を支持している。2001年大会の準決勝では、姉妹対決を観客は大いに期待しどちらに軍配が上がるかに注目が集まっていたが、ヴィーナスの棄権を受け、父親であるリチャード氏は観客から人種差別的な罵声を耳にしたと語っていた。
現在33歳となったセリーナは、二度と戻らないと決めた大会への復帰はそれが特別な理由の1つではないと語る。
彼女の決断は「Equal Justice Initiative」と言う組織の知名度を上げる事も理由の1つになっていた。それは非営利組織で、正当な扱いを受けられずにいる貧困層の人達への法的代理人となる役割を果たす組織である。
「本当に良いタイミングだと思ったの。自分にだけではなく一般のアメリカ人に取っても。アメリカ人としてもっと良く出来るんだって言える場を持つ機会として。我々はもっと良くなれるし、我々はもっと良い人間なんだって。」 とセリーナは自身の思いを力説していた。
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