テニスのグランドスラム、全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード、賞金総額17,748,600ドル)は23日、男子シングルス3回戦が行われ、第2シードの
R・フェデラー(スイス)が世界ランク46位の
A・セッピ(イタリア)に4-6, 6-7 (5-7), 6-4, 6-7 (5-7)で敗れ、今大会これまでで1番の波乱に巻き込まれた。
史上最多となる17度のグランドスラム優勝を持つフェデラーは、これまで10度の対戦全てで勝利を飾っていたセッピの前に、今大会11年連続で準決勝以上の成績を残していた好成績を止められたばかりか、3回戦敗退は実に2001年以来の事となった。
フェデラーとの対戦で初めてマッチポイントを握ったセッピは、激しいフェデラーからの攻撃を受け、フェデラーがするどいショットを放ちネットへ詰めるとやっと届いたボールを何とか返球した。フェデラーはそれを見逃したが、そのボールはコートの角に落ち試合に終止符が打たれた。
「あの打ち方だと“コートに入る訳がない”と思ってしまう。ボールを打ちに行き手の届く所にあったものの“いや、見逃そう”と判断してしまったんだ。そう自分に言い聞かせながら振り返ると、すでに試合が終わってしまった事に気付いたんだ。」とフェデラーは最後のポイントの場面を思い返していた。
フェデラーは2004年に今大会で初めて優勝を飾って以来、昨年まで毎年準決勝以上の成績を残して来た。そして4回戦にたどり着けずに大会を去るのは2001年以来の事となってしまった。
「分からないよ。彼(セッピ)にどんな感じで打ったのか聞いてくれ。明らかに大きなショックさ。なぜなら、フォアハンドは調子良く打てていたからさ。」とフェデラー。
勝ったセッピ自身も、最後のポイントは計算して打った訳ではなかった事を明かしていた。
「そうだね、確かにあれは不思議なショットだった。最初はボールに届かないと思ったんだ。やっと届いたけど、打った後はどこへ飛んで行ったか見ていなかった。ボールが落ちた瞬間だけ見ていたんだ。あのショットは、人生の中で最も大切なショットの1つになるだろう。」と語る30歳のセッピはこれまで全豪オープンには9度出場して来たが、2回戦の壁を越えたのはわずか1度だけだった。
フェデラーは今季開幕戦のブリスベン国際男子では、見事な優勝を飾ると同時にキャリア1000勝利を飾るなど、好調なまま今大会へ臨んでいた。そんなフェデラーだったが、フェデラーらしからず試合を通して9本のダブルフォルトを犯し、2度のタイブレークではセッピにミニブレークを許すなど、安定感に欠けるプレーだった。
「第2セットのタイブレークを落としたのはかなりこたえていた。そして第4セットもそうだった。そのセットも取るべきセットだった。厳しいセットを失ってしまった。そして最後も良い形では終われなかった。」とフェデラーは悔しさをにじませながらコメントしていた。
セッピは自身初となるグランドスラムでの準々決勝進出を懸けて
N・キリオス(オーストラリア)と4回戦を行う。昨年のウィンブルドンの4回戦で当時世界ランク1位だった
R・ナダル(スペイン)を下し話題を集めたキリオスはこの日、
M・ジャジーリ(チュニジア)を6-3, 7-6 (8-6), 6-1のストレートで下していた。
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