テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は1日、男子シングルス4回戦が行われ、第10シードの
錦織圭(日本)が第5シードの
M・ラオニチ(カナダ)を4-6, 7-6 (7-4), 6-7 (6-8), 7-5, 6-4の大激闘の末に下し、同大会で日本人男子92年ぶりのベスト8入り、さらにグランドスラムでは自身2度目の準々決勝進出を決めた。
両者は今回が4度目の対戦となり、錦織はラオニチとの対戦成績を3勝1敗とリードを広げた。
直近の対戦は今年のウィンブルドン4回戦で、その時は錦織がラオニチに初めて敗れてベスト8進出を逃した。
5月のムチュア・マドリッド・オープン男子3回戦でも錦織とラオニチは対戦しており、その時は錦織が2度のタイブレークを競り勝ち、ベスト8進出を決めた。
この試合、序盤はラオニチのサービスを返すのがやっとだった錦織だが、徐々にリターンを合わせていき、第1セットの第6ゲームではリターンエースでブレークに成功した。
両者互角のラリー戦となり、激しいストローク戦が繰り広げられるも、錦織はバックハンドのダウンザラインやドロップショットを決めるなど、ビッグサーバーのラオニチ相手にストロークで攻めていった。
第4セットで錦織は、第3ゲーム終了後にメディカルタイムアウトを要求。手術した右足のテーピングを巻きかえてもらい、再びコートに戻る場面もあった。
後半は両者サービスキープが続く中、第4セットの第11ゲームと第5セットの第5ゲームで錦織はブレークに成功。最後まで勝敗が見えず、手に汗握る試合となったが、4時間18分の死闘を錦織が制した。
試合後に行われたコート上のインタビューでは「最後まで気が抜けない試合だったので、セットカウント1-2ダウンから挽回できて良かったです。まだ実感がないんですけど、次の試合に向けて明日はしっかりリカバリーしたいです。」と話した。
ラオニチ戦で勝敗をわけた鍵については「最後までしっかりリターンゲームでチャンスをうかがっていました。最後の方は先にブレーク出来て、サービスも良くなりだいぶ楽になってきた。後半は特に良かったですね。」と試合を振り返った。
初めてのナイトセッションでセンターコートということもあり、緊張したかという質問には「最初はラケットが振れず、何をしても駄目な状態でした。そこから(調子が)戻ってこれたので、信じられないです」とコメント。
1週間前の今頃、センターコートでこうしてインタビューを受けている自分を想像できましたかという問いには「なかなか想像は出来ていなかったですけど、1試合ずつこうやって勝ってこれているので、気を抜かず次も勝てるように頑張っていきます。」と話した。
同大会92年ぶりの日本人男子ベスト8進出については「嬉しいですね。こうやって記録をかえられるのは。また次、ベスト4に向けて頑張ります。」とコメントした。
グランドスラム初のベスト4進出をかけて錦織は、準々決勝で第3シードの
S・ワウリンカ(スイス)と対戦する。
今大会で錦織は、1回戦で
W・オディスニク(アメリカ)にを下し、2回戦は
P・アンドゥハル(スペイン)の途中棄権により3回戦へ駒を進め、3回戦では第23シードの
L・マイェール(アルゼンチン)に勝利しての勝ち上がりとなった。そして今回4回戦でラオニチを下し、全米オープンで日本人男子92年ぶりのベスト8進出という快挙を達成した。
さらに、錦織は今大会2回戦で勝利したことにより、グランドスラム勝利数日本人歴代1位となる33勝を達成した。3回戦では34勝、そして4回戦ラオニチに勝利したことで35勝と記録を更新した。
世界ランク11位の錦織は、右足の親指に出来た嚢胞を取り除く手術を8月上旬に受けたため、全米オープンの前哨戦であるロジャーズ・カップ男子とW&Sマスターズの2大会欠場。抜糸後は順調な回復を見せ、復帰戦となった今大会1回戦では勝利で飾った。
《錦織 手術の記事はこちら》一方、敗れた世界ランク6位のラオニチは、今年の全仏オープン準々決勝で
N・ジョコビッチ(セルビア)に敗れるもベスト8進出、ウィンブルドンでは準決勝で
R・フェデラー(スイス)に敗れるもグランドスラム初のベスト4入りを果たし、ウィンブルドン後に発表された世界ランキングでは、自己最高位となる6位に浮上した。
シティ・オープン男子では、同胞の
V・ポスピシル(カナダ)を下して今季初優勝を飾るなど、今季は安定した成績を残しており、今回はグランドスラム3大会連続のベスト8進出を狙うも、錦織に敗れて4回戦で敗退となった。
今大会でラオニチは1回戦で予選勝ち上がりの
ダニエル太郎(日本)、2回戦は
P・ゴヨブジク(ドイツ)、3回戦は
V・エストレージャ=ブルゴス(ドミニカ共和国)を下しての勝ち上がりとなっていた。
(コメントはWOWOWから抜粋)
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