テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は20日、シングルス4回戦が行われ、ラッキールーザーの
S・ロバート(フランス)を6-1, 6-2, 6-7 (6-8), 6-2で下して5年連続のベスト8進出を決めた第4シードのA・マレーは、試合中にフラストレーションがたまってラケットを折ってしまった。試合後マレーは、そのことについてコメントした。
世界ランク4位のマレーは、同119位のロバートに第1・2セットで力の差を見せつける展開であっさり先取し、勝利へ王手をかけた。
しかし、予選決勝ラウンドで敗退するもラッキールーザーで本戦入りしたロバートはその幸運を活かし、全豪オープンで初となるラッキールーザーでの4回戦進出を果たす勢いで第3セットをタイブレークの末に奪い、今大会マレーから初めてセットをとった。
第3セットだけで4度のマッチポイントがとれなかったマレーは、タイブレークの末に落とした直後、ベンチに戻るとラケットを叩きつけ折ってしまうなど、フラストレーションをぶつけていた。
「大概はラケットの中央部分を持って、地面に平行にして叩きつける。ラケットを折りたくない時はそうやって投げる。しかし、ラケットのフレームを立てて真っ直ぐに投げたり、フレームを直接ぶつけたりしたら、ラケットはすぐに折れてしまう。」と、珍しくラケットを投げてしまったマレー。
「ラケットを折ってしまおうと思ったわけではないけど、もうこのラケットは使わないとは思っていた。時にはそんな事も必要。」と、その時の気持ちを語った。
マレーは第1セットでは凡ミスが4本と最高のスタートを切った。しかし、第3セットだけでは27本と増え、集中を切らしロバートの反撃にあってしまった。ゲームカウント5-4とリードし、サービング・フォー・マッチを迎えマッチポイントさえ握ったものの、ダブルフォルトを犯すなどブレークバックを許してしまった。
「第3セットも必死に戦った。サービング・フォー・マッチの時はちょっと集中を欠いてしまったのかもしれない。」
昨年の9月にこれまで苦しめられた腰に手術を受け、その後約4カ月のツアー離脱をしていたマレー。この試合で見られたように安定感が不安材料だと言われている。しかし幸いな事に、ここまでのマレーの勝ち上がりの4試合では、うち3試合がトップ100圏外の選手と、トップ選手との対戦がなかった。
準々決勝でマレーは、第6シードの
R・フェデラー(スイス)と対戦する。
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