HPジャパン女子オープン大会5日目、シングルス準々決勝で、
奈良くるみ(日本)が、
P・エルコグ(スロベニア)を7-6 (7-4), 2-6, 6-1で破り、大阪で自身初のWTAツアーベスト4入りを決めた。
「本当にすごく嬉しいです。この大会でいい成績を残していきたいとすごく思っていたんですけど、まさかここまで来られるとは正直思っていなかったので、本当に嬉しい」(奈良)
第1セット第1ゲームで、奈良はいきなりブレークを許すが、第6ゲームでブレークバックに成功した。お互いワンブレークでタイブレークに突入したが、5-4からエルコグが2本連続でダブルフォールトをして、奈良がセットを先取した。
第2セットは、「ちょっと自分のフィジカルが落ちてしまって、なかなかコートに入れなかった。疲れて集中力が落ちた」と振り返った奈良がセットを落としたが、それでも奈良は、冷静に戦況を見つめていた。
「(第2セットの)途中から、ファイナルセットでギアを上げられるよう頭の中で考えていた。ファイナルセットで、しっかりギアを上げられたのがよかった」
こう語った奈良は、ファイナルセット第1ゲームをブレークして、試合の流れを引き戻す。エルコグは、サーブやフォアの1発に頼る単調なテニスになり、ミスが増えていった。さらに、奈良は、エルコグがもともと気性が荒い選手だということも考慮してプレーし、ファイナルセットは、しっかり走ってボールにくらいつく奈良が圧倒した。
「リードを広げていければ、こういう結果になるとイメージできていた。相手の集中力が欠けているのはわかっていたけど、最後の最後まで、自分の気持ちは変わることなく、やり切れた」(奈良)
準決勝で、奈良は、第5シードの
E・ブシャール(カナダ)と対戦する。21歳の奈良は、ブシャール戦に向けて、次のように抱負を語った。
「(ブシャールは19歳で)私より若いんですけど、しっかりしている。フィジカルも強く、隙のない選手。同じテンポで打ち合ってしまうと、相手のパワーが上回るかもしれないので、緩急や自分の展開力を活かして、相手を崩していけたらと思う」
急成長している若手同士の準決勝は、注目の一戦になる。
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