テニスのグランドスラムであるウィンブルドンで、今年77年ぶりに地元優勝を飾った
A・マレー(英国)が月曜日、以前から痛めていた腰の手術を無事に終え、元気でいる事を自身のツイッターでつぶやいた。
現地月曜日の夜に投稿されたツイッターでは「回復を願う数多くのメッセージありがとう。とても励まされた。」とつぶやくとともに、親指を立てて元気なポーズをとっている画像も加えてアップしていた。
男子世界ランク3位のマレーは、23日月曜日に腰の椎間板の小さな手術を受ける決断をし、タイ・オープン、楽天ジャパン・オープン、上海マスターズのアジア・ツアー欠場を表明していた。今季、マレーは腰の痛みに悩まされ続けていた。
また、アジア大会の欠場と同時に、今季最後のマスターズ1000大会であるフランスはパリで開催されるBNPパリバ・マスターズと、イギリスはロンドンで行われるバークレイズATPワールド・ツアー・ファイナルズへの出場も危ぶまれている。
最終戦は今季獲得ポイントの上位8選手しか出場権が与えられない大会ながら、マレーは既に出場権を獲得してはいるものの、出場には黄信号が点滅している。
今季の活動が終わりを向かえてしまうかもしれないというマレーは、今回の手術を受ける決断を下した。それは、来シーズンから元気にフルシーズン戦うためのものだとしている。
次のシーズンへ向けて、そしてシーズン最初のグランドスラムである全豪オープンで万全の状態で臨むために、毎年オフシーズンはトレーニングの拠点を置いているアメリカはマイアミで11月より練習とトレーニングを開始している。手術が終わった今は、そのトレーニングにしっかり臨めるように治療と回復に努めると言われている。
そして手術後のツイートでは続いて「意識が戻って最初に言ったのは“俺は勝ったの?”だったんだ。」と、26歳のマレーは勝負師の顔を覗かせていた。
マレーが腰の痛みが激しくなったのは5月に行なわれたローマでのマスターズ1000大会だった。その時は初戦となる2回戦途中で棄権を申し入れて大会を後にした。そして、全仏オープンを欠場するに至ってしまった。
しかし、そのツアー離脱していた期間は、祖国で行われるウィンブルドンへ向けて調整を続け、見事な優勝につなげていた。その後の全米オープンでは前年度覇者として出場したものの、準々決勝で敗退する結果となった。
その翌週に行われた国別対抗戦デビスカップでは、祖国イギリスのエースとして出場し、シングルスに加えダブルスでも勝利を飾り、祖国イギリスが8カ国しかいないワールド・グループへ返り咲く原動力になっていた。
大役をきっちり果たしたマレーは、痛みを抱えたまま戦い続ける事より、万全の体調で来シーズンを送れる体を作るために今回の手術に踏み切った。
マレーは、日本時間の25日早朝に再びツイッターで「これまで2日間病院で過ごしているけど、看護師や医師らの手厚い看病にどれだけ驚き、また感謝しているかを実感している。」と、つぶやいて元気な様子を伝えていた。
続けて「ケアを必要としている人々を介護している世界。この病院にいる全ての人々に、ケアをしてくれている事と、また元の体に戻してくれている事に対して感謝の気持ちでいる。」と、今の自身の気持ちを明かしていた。
オフシーズンのトレーニングを完璧にこなし、2014年の全豪オープンで万全な状態で戦えたとしたら、その翌週にはデビスカップのワールド・グループ1回戦の対アメリカ戦が待ち受けている。マレーは残りのシーズンを捨ててでも、来シーズンでの活躍のための闘病生活を続ける。
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