テニスのグランドスラムである全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会最終日の9日、シングルス決勝が行われ、第2シードの
R・ナダル(スペイン)が6-2, 3-6, 6-4, 6-1で第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)を下し、3年ぶり2度目の優勝を決めると同時に、グランドスラム13度目のタイトル獲得となった。
「恐らく今回の優勝が自分のテニス人生で最高に感激している優勝。今日勝つには完璧なプレーが必要だと思っていたんだ。」と語るナダルは、昨年はウィンブルドン以降膝の怪我のためツアー離脱を余儀なくされ、この時期も治療に明け暮れていた。
「きっと自分のチームしかこの優勝の意味の大きさが分からないかも知れない。」と、怪我を一緒に戦って来たチームへの思いを添えた。そして「ノヴァーク(ジョコビッチ)との対戦は特別な思いなんだ。多分ノヴァークのような選手以外、自分の限界のプレーを導き出してくれないだろう。」とジョコビッチへの気持ちも加えていた。
そして試合直後のインタビューではジョコビッチへ向かって「あなたは本当に信じられない選手。そして信じられないテニス人生を今も送っている。テニス史上、最も優れた選手の一人として歴史に名を刻む事は確実だと信じている。」と、ジョコビッチを称賛していた。
セットカウント1-1からの第3セット。
第2セットを奪い返した勢いのまま、第1ゲームで先にブレークを奪ったジョコビッチは第6ゲームでブレークバックを許し接戦へ。ゲームカウント4-4からのナダルのサーブでは0-40と再びチャンスを掴んだジョコビッチだが、それを全て物に出来なかった。
ピンチを切り抜けて第3セットを奪ったナダルは「あのセットは本当に大切なセットだったし、本当に(この勝利に)特別なものだった。」と、試合の鍵となった第3セットを振り返っていた。
これでナダルは、グランドスラム13回目の優勝を飾り、グランドスラム優勝回数第2位の
P・サンプラス(アメリカ)の14回にあと1つと迫った。最多優勝回数は
R・フェデラー(スイス)の持つ17回で、現在27歳のナダルは、その記録の塗り替えへも前進した。
ナダルは今回の優勝で、優勝賞金260万ドル(約2億6千万円)に加え、全米オープン前の北米のハードコート・シーズン中に獲得したポイントで争う全米オープン・シリーズで1位となっていたため、優勝賞金に加えてボーナスとして100万ドル(約1億円)も獲得する事となった。
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