男子テニスツアーのW&Sマスターズ(アメリカ/シンシナティ、ハード)は16日、シングルス準々決勝が行われ、第4シードの
R・ナダル(スペイン)が昨年覇者で第5シードの
R・フェデラー(スイス)を5-7, 6-4, 6-3の逆転で下し、大会初優勝へ向けベスト4進出を果たすと同時に、フェデラーの大会史上初となる6度目の優勝と2連覇を阻止した。
この試合、ナダルはファーストサーブが入った時に73パーセントの確率でポイントを獲得、さらに9度あったブレークチャンスから2度のブレークに成功し、2時間14分で31度目となるフェデラー戦に終止符を打った。
敗れたフェデラーは、第1セットで1度もブレークチャンスを与えないサービスゲームを展開するも、第2セット以降はナダルに試合の主導権を握られてしまった。また、第3セットの第9ゲームではナダルのマッチポイントを4本しのぐ粘りをみせるも、勝利にはつながらなかった。
トータルポイント獲得数は、ナダルが101、フェデラーは95だった。
両者は今回が31度目の対戦となり、ナダルはフェデラーとの対戦成績を21勝10敗とした。また、ハードコートでの対戦成績でもナダルが7勝6敗とリードを広げた。
今年の2月に膝の怪我からの復帰を果たしたナダルは、今季ハードコートで行われたBNPパリバ・オープン男子とロジャーズ・カップ男子の2大会で優勝を飾っている。
先週のロジャーズ・カップ男子で今季8度目のタイトルとキャリア通算58度目のタイトルを獲得したナダルは、その後に発表された世界ランキングで
D・フェレール(スペイン)を抜き3位へ浮上するなど、好調を維持している。
今季ナダルは出場した11大会のうち8大会で優勝を飾り、全仏オープンでは前人未到8度目の優勝と2度目の大会4連覇を達成。
大会初の決勝進出をかけてナダルは、第6シードのT・ベルディフと準決勝で対戦する。ベルディフは、準々決勝で第2シードの
A・マレー(英国)をストレートで破っての勝ち上がり。
一方、ナダルに敗れた32歳のフェデラーは、波乱に見舞われたウィンブルドン以降も調子が上がらず、ベット・アット・ホーム・オープン準決勝では当時世界ランク114位の
F・デルボニス(アルゼンチン)、地元で開催されたクレディ・アグリコル・スイス・オープン2回戦では同55位の
D・ブランズ(ドイツ)に敗れてしまった。
フェデラーは、先週行われたロジャーズ・カップ男子は欠場しており、全米オープンへ向けたハードコートでの大会を今大会からスタートさせていた。
また、世界ランク1位
N・ジョコビッチ(セルビア)は、フェデラーとナダルについて「僕とマレーは男子テニス界の最大のライバル関係には、まだなっていない。現役選手を見ると、確実にフェデラーとナダルが最大のライバル関係にある。」と、コメントしている。
この日行われた試合結果は以下の通り。
○
J・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)(7) vs. ●
D・ツルスノフ(ロシア), 6-4, 3-6, 6-1
●N・ジョコビッチ(1) vs. ○J・アイズナー, 6-7, 6-3, 5-7
●A・マレー(2) vs. ○T・ベルディフ(6), 3-6, 4-6
○R・ナダル(4) vs. ●R・フェデラー(5), 5-7, 6-4, 6-3
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