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男子テニスのグランドスラムである全豪オープン(オーストラリア/メルボルン、ハード)は大会1日目の14日、シングルス1回戦が行われ、日本人男子ナンバー3の伊藤竜馬(日本)が地元から主催者推薦で出場のJ・ミルマン(ロシア)を6-4, 6-4, 3-6, 0-6, 7-5と3時間29分の死闘を制し2年連続となる初戦突破を決めた。
【伊藤竜馬 vs. ミルマン】
試合を終えた伊藤竜馬は「2セット目の途中から痙攣が起きてしまい、全然動けなくなってしまいました。それでも、2セットを捨てて何とかファイナルセットで戻ってきてくれたらとの気持ちで戦っていました。何とか回復して、勝つ事が出来て本当に嬉しいです。」と、勝利に安堵と喜びの気持ちを語ってた。
「ファイナルセットは、足の事を気にせず、一球一球気持ちを込めて戦って、最後は相手より気持ちが強かったから勝てたんだと思います。」と、試合を振り返り勝因を分析していた。
また「まさか勝てると思わなかったので、本当に嬉しいです。2週間前に彼と対戦して、ストレートで負けていました。伸び盛りの勢いのある選手でしたけど、何とかリベンジ出来て嬉しいです。こんなロングマッチを制して勝利出来た事は、良い経験になったと思います。」と、伊藤竜馬。
次戦については「明日は試合がないので、2回戦へ向けてしっかり準備と休養を取って、また思いっ切り戦えるようにしていきたいと思います。」と、意気込みも加えていた。
伊藤竜馬は、A・ラモス(スペイン)を6-7 (0-7), 7-6 (7-4), 6-4, 3-6, 6-3と同じくフルセットで下した第28シードのM・バグダティス(キプロス)と2回戦で対戦し、自身初となるグランドスラムの3回戦進出を狙う。
《伊藤竜馬1回戦 試合詳細はこちら》
【ヒューイット vs. ティプサレビッチ】
また、この日のセンターコートであるロッド・レーバー・アリーナのナイトセッションには、地元オーストラリアの男子テニス界を長年牽引してきた元世界ランク1位のL・ヒューイット(オーストラリア)が登場したが、世界ランク9位で第8シードのJ・ティプサレビッチ(セルビア)の前に6-7 (4-7), 5-7, 3-6のストレートで敗れ、早くも大会を去る結果となった。
「彼(ティプサレビッチ)は自分のベストのプレーをしていた。それは疑う余地もない。彼はこれまで、まだ4大会でしか優勝していない。トップ10に安定し続ける選手の中では少ない方だけど、彼の素晴らしい試合を何度か見た事がある。彼は本当に質の高い選手なんだ。」とヒューイットは、ティプサレビッチを称賛していた。
加えて「そんな選手相手には、少ないチャンスをしっかりものにする必要があった。でも彼は、大切な場面ではレベルを上げて、それをさせてくれなかった。第2セットの終盤は、苦しい状況を何とか切り抜けて踏ん張らなければならない状況だったけど、しのぎ切る事が出来なかった。」と、ヒューイット。
そう試合を振り返るヒューイットは、「失望、落胆、それがまず最初に浮かんだ言葉さ。」と、敗戦直後の気持ちを語っていた。
「正しい事が出来て、厳しい努力を費やせたから、よりそう感じるものさ。試合を通して良い感触でボールを打つ事も出来た。質の低いテニスをした訳じゃない。彼が重要なポイントで、より良いプレーをしたまでさ。」とヒューイットは、敗戦を受け止めながら、辛い思いも明かしていた。
一方のティプサレビッチは「シーズン最初のグランドスラムである全豪オープンの初戦をヒューイットと戦うなんて、こんなに厳しいものはないんじゃないかな。まず第一に、こうして何とか勝利を飾れた事に、どれほど嬉しさを感じているかを言い表す事が出来ないよ。第二に、おまけにストレート勝利だなんてね。」と、喜びを表現していた。
加えて「試合の大事な場面で、ベストのプレーが出来たと感じているんだ。この大会で好成績を残したいと本当に願っているよ。」と、ティプサレビッチは自身のプレーを評価しつつ、今後の抱負も語っていた。
ティプサレビッチは2回戦で、G・ミュラー(ルクセンブルグ)に6-2, 6-4, 7-6 (7-3)で勝利したL・ラコ(スロバキア)と顔を合わせる。
《ヒューイット1回戦 試合詳細はこちら》
【フェレール vs. ロクス】
一方、ハイセンス・アリーナのナイトセッションでは、世界ランク5位で第4シードのD・フェレール(スペイン)が登場。O・ロクス(ベルギー)を6-3, 6-4, 6-2と安定したプレーを披露し、順当に2回戦進出を決めた。
30歳のフェレールは、世界ランク4位で同胞のR・ナダル(スペイン)の欠場からスペイン人ナンバー1選手として自身最高位の第4シードで、今年の全豪オープンへ臨んでいる。しかし、祖国スペインからは特別な注目を集めているわけではないと言う。
「もちろんラファエル(ナダル)の方が重要なのはわかっている。彼はスペイン・テニス史上最高の選手なんだからね。だから、この大会でも自分に特別な注目がない事だって、特に気にする事なんてないんだ。」と、フェレール。
そして「ただ自分自身と、自分のテニス、そして自分のチームに集中しているだけさ。常にベストを尽くして戦うのみ。」と、フェレールは冷静に自分の置かれている状況を受け止めていた。
昨シーズンのフェレールは76勝15敗と、ツアー最多勝利を飾る活躍をみせ、今季も開幕戦のカタールでベスト4、前哨戦のオークランドで優勝するなど、全く衰えを知らず、この日も31歳のロクスを1時間50分で一蹴していた。
フェレールは2回戦で、I・カルロビッチ(クロアチア)を6-4, 7-6 (7-5), 7-5のストレートで下したT・スミチェク(アメリカ)と対戦する。
《フェレール1回戦 試合詳細はこちら》
その他の試合結果は、以下の通り。
○X・マリス(ベルギー) vs. ●P・アンジャー, 6-3, 6-1, 6-2
○C・ベルロク(アルゼンチン) vs. ●Maxime Authom, 1-6, 7-6, 7-6, 6-2
○E・ロジェ=ヴァセラン(フランス) vs. ●Ruben Bemelmans, 6-3, 6-7, 2-6, 7-5, 11-9
○J・ベネトー(フランス) vs. ●G・ディミトロフ(ブルガリア), 6-4, 6-2, 6-4
●L・クボット(ポーランド) vs. ○D・ヒメノ=トラバー, 7-6, 4-6, 0-6, 6-4, 4-6
○錦織圭(日本) vs. ●V・ハネスク(ルーマニア), 6-7, 6-3, 6-1, 6-3
○N・アルマグロ(スペイン) vs. ●S・ジョンソン(アメリカ), 7-5, 6-7, 6-2, 6-7, 6-2
○G・ルファン(フランス) vs. ●J・ライスター(ドイツ), 4-6, 7-6, 6-1, 6-2
○T・カンケ vs. ●F・チポッラ(イタリア), 6-1, 6-4, 6-1
●A・ウングル(ルーマニア) vs. ○Evgeny Donskoy, 4-6, 4-6, 2-6
○R・ハリソン(アメリカ) vs. ●S・ヒラルド(コロンビア), 2-6, 6-4, 7-5, 6-4
○F・ベルダスコ(スペイン) vs. ●D・ゴファン(ベルギー), 6-3, 3-6, 4-6, 6-3, 6-4
○T・ベルディフ(チェコ共和国) vs. ●M・ラッセル(アメリカ), 6-3, 7-5, 6-3
○S・ワウリンカ(スイス) vs. ●C・M・ステベ(ドイツ), 6-2, 6-4, 6-3
○B・ベイカー(アメリカ) vs. ●A・ボゴモロフJR(ロシア), 7-6, 6-3, 6-7, 3-6, 6-2
○F・ロペス(スペイン) vs. ●Arnau Brugues-Davi, 6-3, 6-2, 6-4
●B・パウ(ドイツ) vs. ○S・デウバーマン(インド), 3-6, 2-6, 3-6
○M・ヨージニ(ロシア) vs. ●M・エブデン(オーストラリア), 4-6, 6-7, 6-2, 7-6, 6-3
○J・メルツァー(オーストリア) vs. ●M・ククシュキン(カザフスタン), 6-1, 6-1, 6-2
○N・ジョコビッチ(セルビア) vs. ●P・H・マチュー(フランス), 6-2, 6-4, 7-5
●I・カルロビッチ vs. ○T・スミチェク, 4-6, 6-7, 5-7
○J・ヤノヴィッツ(ポーランド) vs. ●S・ボレッリ(イタリア), 7-5, 6-4, 6-3
○Roberto Bautista-Agut vs. ●F・フォニュイーニ(イタリア), 6-0, 2-6, 6-4, 3-6, 6-1
●J・モナコ(アルゼンチン) vs. ○A・クズネツォフ, 6-7, 1-6, 1-6
●G・ミュラー vs. ○L・ラコ, 2-6, 4-6, 6-7
○K・アンダーソン(南アフリカ) vs. ●P・ロレンジ(イタリア), 3-6, 7-6, 6-3, 6-4
○伊藤竜馬 vs. ●John Millman, 6-4, 6-4, 3-6, 0-6, 7-5
○S・クエリー(アメリカ) vs. ●D・ムニョス-デラナバ(スペイン), 6-7, 6-4, 6-2, 6-4
○D・フェレール vs. ●O・ロクス, 6-3, 6-4, 6-2
○R・シュティエパネック(チェコ共和国) vs. ●V・トロイキ(セルビア), 5-7, 4-6, 6-3, 6-3, 7-5
○J・ティプサレビッチ vs. ●L・ヒューイット, 7-6, 7-5, 6-3
○M・バグダティス vs. ●A・ラモス, 6-7, 7-6, 6-4, 3-6, 6-3
(翻訳・記事/弓削忠則)
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