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男子テニスツアーのブリスベン国際男子(オーストラリア/ブリスベン、賞金総額48万4750ドル、ハード)は6日に男子シングルス決勝を行い、昨年の覇者で第1シードのA・マレー(英国)がノーシードから勝ち上がってきた若手期待のG・ディミトロフ(ブルガリア)を7-6 (7-0), 6-4のストレートで下し、見事開幕戦を制した。マレーは同時に優勝賞金7万8800ドルを獲得した。
決勝の第1セット、失うものは何もない21歳ディミトロフは、自身ATPツアー初の決勝戦にも関わらず、得意とする片手打ちのバックハンドを武器にゲームカウント4-1とリードを重ねる。
しかし、その後ゲームカウント5-3とサービスキープすれば第1セットを先取出来る場面でマレーにブレークバックされてしまい、ゲームカウント5-4に。
続く第10ゲーム、マレーのサービスゲームでもディミトロフは先行し、1本のセットポイントを握るが、マレーにサービスエースでしのがれると、このセットはゲームカウント5-5のタイに。
第11・第12ゲームは両者はサービスキープし、第1セットはタイブレークへ。タイブレークではマレーが世界ランク3位の底力をみせ、ディミトロフに1ポイントも許さずに7-0で奪うと、このセットを先取する。
第2セットに入るとゲームカウント3-3の第7ゲーム、マレーは自身のサービスゲームでバックハンドをネットし、ディミトロフにブレークを許す。不満が募ったマレーはチェンジコートの際、椅子に座りながら「足、足、足、足、足(を動かせ)」と叫んだ。
それが功を奏したのか、マレーは第8ゲームですぐにブレークバックに成功してゲームカウント4-4とすると、第9ゲームのサービスゲームはわずか56秒でキープし、ゲームカウント5-4とする。
そして、第10ゲームでは逆にディミトロフのサービスゲームをブレークし、終止符を打った。試合時間は1時間30分だった。
世界48位のディミトロフは試合後「先にブレークしてリードしていた。自分のテニスは悪くはなかったと思うけど、彼(マレー)は世界でも最高のリターンを持つ選手の1人。僕のサービスゲームの中でいくつか大切なポイントがあったけど、そのうちいくつかのポイントを取られてしまい、彼に自信を与えてしまった。その後、彼のサーブは良くなっていった。」と、振り返った。
加えて「彼はトップ選手の1人。だから彼のテニスには、そして彼がコート上で行うことにはリズムがある。大切なポイントでは必ずいいプレーをしてくる。セットを奪ったり、試合に勝つチャンスがないとは思わなかったけど、彼とは微妙な差があったね。」
トップ50の選手の中で最年少のディミトロフは、第7シードのJ・メルツァー(オーストリア)、第2シードのM・ラオニチ(カナダ)を下して決勝まで勝ち上がっており、シーズン開始早々、いきなりスポットライトを浴びている。
バックハンドが片手打ちでプレースタイルが似ていることや、同じブランドのラケット等を使用していることから、次世代のR・フェデラー(スイス)とも評されるディミトロフ。そのディミトロフについてマレーは、今シーズンに大ブレークする可能性もあると考えている。
「今回は彼(ディミトロフ)にとって初の決勝戦だった。彼が非常に素晴らしいテニスを披露していたことを否定する人はいないだろう。タフな決勝戦だった。彼はコーチを変え、新たなチームを編成したばかりだから、祝福の言葉を贈りたい。これから色々と活躍するチームになるだろう。」と、マレー。
一方、試合後のトロフィー授与式でマレーは、会場にはいないある友人に対して「本当にありがとう。彼は自宅に戻って試合を観てくれているんだ。」と、涙声で話した。マレーは友人の名前は明かさなかったが、授与された小さな盾に優勝を彼に捧げる旨のメッセージを記している。
2012年のマレーは今大会で優勝して勢いをつけると、ロンドンオリンピック、そして全米オープンで立て続けに優勝し、マレーのキャリアを大きく変えた。
マレーは今後、メルボルンに向かい、14日から始まる全豪オープンに備える。全米オープンの優勝でマレーは、イギリスに1936年以来76年ぶりの四大大会優勝をもたらしており、今年は例年のようなイギリス全体からの優勝のプレッシャーから解放されたプレーができそうだ。
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