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錦織、添田、伊藤、守屋、試合後のコメント◇全米オープン

テニスのグランドスラム、全米オープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会初日の27日、男子シングルス1回戦が行われ、日本期待のエースで第17シードの錦織圭(日本)が予選を勝ち上がったG・アンドレオシ(アルゼンチン)を6-1, 6-2, 6-4のストレートで下し順当に2回戦進出を決めた。

第1セットからリターンで攻める世界ランク18位の錦織は出だしから5ゲーム連取に成功する。初のグランドスラムの舞台で緊張気味のアンドレオシに第6ゲームをラブゲームでキープされて初めてゲームを許した錦織だったが、続くサービング・フォー・ザ・セットをしっかりサービスキープし、第1セットを22分であっさり先取する。

第2セットは第1ゲーム、アンドレオシのサービスゲームで、何度もデュースが繰り返されるもアンドレオシが辛くもキープ。

しかしゲームカウント1−1からの第3ゲームをブレークした錦織は、このセットもリードする。ゲームカウント4−2、第7ゲームで2度目のブレークに成功した錦織はこのセットもしっかり自身のサービスゲームをキープし、セットカウント2−0と勝利に王手を掛ける。

第3セットは両者サービスキープが続きゲームカウント錦織の2−3とした所で、急に強い雨が降り始め試合が一時中断される。

数時間の中断後に再開された試合、両者サービスキープを続けゲームカウント4−4、錦織がこのセット初めてのブレークをアンドレオシから奪う。続くサービング・フォー・ザ・マッチではなかなかマッチポイントを決められずにいた錦織だったが、5回目のマッチポイントでバックハンドのダウン・ザ・ラインがウィナーとなりゲームセット。2年ぶりの初戦突破を決めた。

「今日は無駄なミスが少ないテニスをする事が出来た。完璧に近い試合だった思う。今日の試合も調子が良かったので、今後はもっと厳しい相手との対戦となるが、この良い感触を維持して行けるところまで行きたいと思う。」と試合を振り返った錦織は、今後の抱負も語っていた。

錦織はB・レイノルズ(アメリカ)を1-6, 6-4, 6-2, 4-6, 6-4で制したT・スミチェク(アメリカ)と2回戦で対戦する。


日本人男子ナンバー2の添田豪(日本)は、第23シードのM・フィッシュ(アメリカ)の胸を借りたが、6-7 (3-7), 6-7 (2-7), 3-6のストレートで敗れ、番狂わせを演じる事は出来なかった。

第23シードのフィッシュに挑んだ世界ランク55位の添田だが、ランキングの差を感じさせないストローク戦を見せた。添田は第1セット、第2セットでフィッシュに先にブレークを奪われ追いかける展開に。いずれのセットもフィッシュのサービング・フォー・ザ・セットでブレークバックに成功する粘り強さを見せた。

しかしタイブレークでは序盤からフィッシュにリードされてしまい、セットを取り切るまでには行かなかった。

第3セットは多少集中力が落ちた添田はフィッシュに攻め立てられ、出だしからブレークを許す。そこから反撃に出るチャンスを見出せなかった添田は2時間36分で初戦敗退となった。

敗れた添田は「自分の力は思う存分出せたが相手のレベルが高かった。勝ちたかったが、食らいついて行く事が精一杯だった。課題としてはサーブの精度を高めて、どんな時でも攻撃的なテニスを貫かなければならないと感じた。」と世界のトップクラスに手応えを感じながらも、自身への課題を掲げていた。

フィッシュは今大会で元ダブルス世界1位のM・ノウルズ(バハマ)をコーチとしてチームに帯同してもらっており、彼の力はこの試合でも大きかったと語る。

「彼はとても助けになっている。今夜の試合で証明出来たと思う。第1セットも第2セットもリードして自分のサーブでそのセットを取る事が出来たのに、いずれも落としてしまった。それでも再び集中を取り戻し、まだセットを取れると思い出させてくれたのは彼の存在が生きていた。これまでは勝ち方へのこだわりから、こんなセットが2回も続いたら耐えきれなくなっていたかも知れない。」

そう語るフィッシュは2回戦で、予選を勝ち上がったG・ペラ(アルゼンチン)を7-5, 3-6, 6-4, 6-2で退けたN・ダビデンコ(ロシア)と対戦する。


一方、世界ランク67位の伊藤は同ランク71位のM・エブデン(オーストラリア)に第1セットは1度ずつのブレークからタイブレークへともつれる接戦へ。そのタイブレークでも両者譲らない展開ながら、9−11と僅差でエブデンに奪われた伊藤。第2セットは流れをエブデンに奪われ、2度のブレークを許しセットカウント0−2とリードされてしまう。

第3セットで先にブレークを決めたのは伊藤で、ゲームカウント2−1とリードしたものの、次のゲームでブレークバックを許す。ゲームカウント2−5からの伊藤のサービスゲームで15−40とマッチポイントを握られ、それを凌ぐ事が出来なかった伊藤が2時間27分のストレートで敗退する結果となった。

23歳の伊藤は今年6月に自己最高位の65位を記録し現在67位。24歳エブデンも同じく今年5月に自己最高位の69位を記録して現在71位と、お互いここまでキャリア・ベストの1年間を送っていた伸び盛りの選手対決だったが、エブデンに軍配が上がる形となった。

「相手とのテニスのレベル自体はあまり変わらなかったと思うが、相手の方がプレーも安定していたし、精神的な部分も安定していた。自分はまだまだ鍛えないといけない部分があると改めて感じた。この経験を生かして来年へ向けて頑張って行きたい。」と伊藤は敗戦からも学ぶ部分を実感していた。

エブデンは2回戦で、F・ボランドリ(イタリア)を6-3, 6-4, 6-3のストレートで下した第32シードのJ・シャーディ(フランス)と対戦する。


予選3試合を勝ち上がり、自身初となるグランドスラム本戦の舞台に立った守屋宏紀(日本)だったが、I・ドディグ(クロアチア)の前に0-6, 1-6, 2-6と、世界の壁の高さを痛感させられる苦いデビュー戦となった。

ドディグのサービスゲームで始まったこの試合、第1ゲームからデュースにもつれたが、その後ドディグが守屋からアドバンテージを握った所で急な豪雨で中断を余儀なくされた。

再開された試合はドディグが第1ゲームをしっかりサービスキープ。その後、このセットだけで5本のダブルフォルトを犯すなど緊張の色が隠せない守屋が自身のサービスゲーム全てをブレークされるなど、1ゲームも奪えず25分でそのセットを失ってしまった。

第2セットでも勢いの衰えないドディグは、ファーストサーブで100パーセント、セカンドサーブでも89パーセントと守屋にブレークポイントさえ握らせなかった。

守屋は自身のサービスゲームを1度キープするのがやっとで、セットカウント0−2と崖っぷちに立たされてしまう。

第3セットで守屋は、それまでファーストサーブで50パーセントを切っていたポイント獲得率だったが、61パーセントと徐々に調子を上げていく。しかし、セカンドサーブではなかなかポイントを奪えず、2度のブレークを許してしまう。

このセットで守屋は4度のブレークポイントをドディグから握るなどチャンスを掴むも、いずれも取り切れず1時間40分のストレートで敗退。夢の大舞台での勝利への壁の高さを実感させられる結果となった。

勝利したドディグは2回戦で、第3シードのA・マレー(英国)と対戦する。その対戦について「とても素晴らしい事。きっと大きなスタジアムでプレーが出来るはずだし、とても嬉しいよ。トップ選手との対戦は何度か経験があるけど、彼(マレー)との対戦は初めてさ。もちろんタフな試合になるだろうけど、自分のテニスに集中してベストのプレーに努めるだけさ。」と意欲を燃やしていた。

21歳の守屋はグランドスラム予選に3度目の挑戦で本戦への切符を勝ち取った。しかし世界の壁を痛感させられたこの試合については「普段と違う部分がたくさんあり、出し切れなかったと言う部分を感じていて、ちょっと残念だと思った。この経験を今後にしっかり繋げて行きたいと思う。」と、敗戦ながら前向きな気持ちを語っていた。

この日行われた試合結果は以下の通り。

R・フェデラー(スイス) (1) ○-× D・ヤング(アメリカ), 6-3, 6-2, 6-4
A・マレー (3) ○-× A・ボゴモロフJR(ロシア), 6-2, 6-4, 6-1
M・チリッチ(クロアチア) (12) ○-× M・マトセビッチ(オーストラリア), 5-7, 2-6, 6-4, 6-2, 6-4
G・シモン(フランス) (16) ○-× M・ラッセル(アメリカ), 7-6 (7-4), 3-6, 5-7, 6-4, 6-1
錦織圭 (17) ○-× G・アンドレオシ, 6-1, 6-2, 6-4
J・ソック(アメリカ) ○-× F・マイヤー(ドイツ) (22), 6-3, 6-2, 3-2, 途中棄権
M・フィッシュ (23) ○-× 添田豪, 7-6 (7-3), 7-6 (7-2), 6-3
M・グラノジェルス(スペイン) (24) ○-× D・クドゥラ, 6-3, 4-6, 6-3, 7-6 (7-2)
F・ベルダスコ(スペイン) (25) ○-× R・マシャド(ポルトガル), 6-1, 6-2, 6-4
F・ロペス(スペイン) (30) ○-× R・ハース(オランダ), 6-3, 7-5, 6-2
J・シャーディ (32) ○-× F・ボランドリ, 6-3, 6-4, 6-3
T・スミチェク ○-× B・レイノルズ, 1-6, 6-4, 6-2, 4-6, 6-4
N・ダビデンコ ○-× G・ペラ, 7-5, 3-6, 6-4, 6-2
I・ドディグ ○-× 守屋宏紀, 6-0, 6-1, 6-2
D・ブランズ(ドイツ) ○-× A・ウングル(ルーマニア), 7-6 (7-4), 6-4, 7-6 (7-5)
B・パウ(ドイツ) ○-× M・オートム(ベルギー), 6-2, 4-6, 6-4, 7-6 (7-5)
J・ブレーク ○-× L・ラコ(スロバキア), 7-5, 6-2, 3-6, 6-3
A・ラモス(スペイン) ○-× R・ジネプリ(アメリカ), 6-7 (3-7), 7-5, 6-4, 6-0
P・H・マチュー(フランス) ○-× I・アンドレエフ(ロシア), 2-6, 4-6, 7-6 (7-1), 7-6 (7-4), 6-1
F・チポッラ(イタリア) ○-× B・カブチッチ(スロベニア), 6-4, 7-6 (7-5), 3-6, 6-3
M・エブデン ○-× 伊藤竜馬(日本), 7-6 (11-9), 6-3, 6-2
M・クリザン(スロバキア) ○-× A・ファリャ(コロンビア), 6-4, 6-1, 6-2
J・ゾップ(エストニア) ○-× D・イストミン(ウズベキスタン), 3-6, 6-3, 6-3, 7-5
R・ラミレス=イダルゴ(スペイン) ○-× S・デウバーマン(インド), 6-3, 6-2, 3-6, 6-4

(翻訳/弓削忠則)

(2012年8月28日17時02分)

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