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ロンドンオリンピックのテニス競技(イギリス/ロンドン、芝)は大会9日目の5日、男子シングルス決勝が行われ、第3シードのA・マレー(英国)が第1シードのR・フェデラー(スイス)に6-2, 6-1, 6-4のストレートで勝利、地元英国で悲願の金メダル獲得を決めた。
25歳のマレーは、過去フェデラーとの対戦で8勝8敗としていた。5セットマッチで行われた男子シングルス決勝は、大声援を受けるマレーが期待に応えるプレーで会場を盛り上げた。
過去4度グランドスラム決勝に進出しながらも、いまだ無冠のマレーは今回の優勝で「オリンピックで金メダルを獲得出来た。グランドスラムでは優勝していない。タフな決勝でタフな敗戦を経験してきて、それらは辛いものだった。今ではトップ選手が出場しているから、オリンピックでのテニスの価値が上がっていると思う。キャリアで最高の勝利です。」と、喜びを語った。
第1セットは互いにサービスキープするも、第6ゲーム、フェデラーのサービスゲームで試合が動く。フェデラーは0-30からデュースにするが、マレーにブレークポイントを与える。そして、フェデラーのバックハンドのショットがネットにかかり、自らのサービスゲームを落としてしまう。
ゲームカウント4-2とリードしたマレーはこれで勢いに乗り、第8ゲームもブレークに成功、6-2でセットを先取する。このセット、マレーの凡ミスはフェデラーの約半分となる6本だった。
試合の流れを掴んだマレーは第2セットに入ってからも勢いを維持し、第2ゲームをブレーク、ゲームカウント2-0とする。
巻き返しを狙うフェデラーは、第3ゲームで6本のブレークポイントを握る。だが、このチャンスを活かす事が出来ず、結局マレーにサービスキープをされてしまう。
手がつけられない状態のマレーは5ゲーム連取し、ゲームカウント5-0と大きくリードする。第6ゲームはフェデラーにサービスキープされるも、続く第7ゲームをきっちりサービスキープしたマレーが2セットアップとする。
第3セット、第5ゲームでこの日5度目となるブレークをマレーが奪い、このセットもリードする。以降、両者サービスキープを続け、マレーは第10ゲームでサービング・フォー・ザ・マッチを迎える。プレッシャーが中、マレーは最後サービスエースを決め、1時間56分で念願の金メダル獲得を決めた。第3セットでマレーは、自らのサービスゲームでフェデラーにわずか1ポイントしか与えない安定したプレーをした。
マレーの金メダル獲得が決まった瞬間、会場は総立ち。マレーは見守ってくれていた家族、チームと喜びを分かち合った。
金メダル獲得を決めたマレーは「一生忘れる事はないでしょう。色々な状況に対応することが出来ます。コートでも自信を持ってる。最後の方のサーブでは、ファンの皆から少しスピードをもらった。何本かビッグサーブが決まった。」
敗れたフェデラーはゴールデンスラム達成がかかっていたが、マレーに敗れたことによりその夢は叶わなかった。
試合後フェデラーは「満足しています。マレーは自分より多くの場面でいいプレーをしていた。素晴らしい1ヶ月だった。ウィンブルドンで優勝し、世界ランク1位に返り咲き、そして銀メダルを獲得した。それほど悪い気分ではありません。」
また「銀メダル獲得したことをとても誇りに思います。1回戦から決勝までとても感情的になる大会だった。1回戦で負ける可能性もあった。準決勝でも同じことです。負けたのではなく、銀メダルを勝ち取った気分です。とても満足している。」とフェデラー。
両者は今年のウィンブルドン決勝でも対戦し、その時はフェデラーが4-6, 7-5, 6-3, 6-4の逆転で優勝を決めていた。フェデラーはその優勝で、およそ2年ぶりに世界ランク1位に返り咲き、P・サンプラス(アメリカ)が持つウィンブルドン史上最多記録に並ぶ7度目の優勝、さらに自らの持つグランドスラム最多勝記録を17に更新していた。
またこの日、準決勝でフェデラーに敗れた第8シードのJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)、マレーに敗れた第2シードのN・ジョコビッチ(セルビア)の、銅メダル獲得をかけた3位決定戦も行われた。
試合開始から激しいラリー戦となったこの試合、第1セットで6本のサービスエースと13本のウィナーを決めるジョコビッチは、5度のブレークチャンスを握るも、それをものに出来なかった。
それに対しデル=ポトロは第11ゲームでブレークに成功し、続く第12ゲームをサービスキープ、第1セットを先取する。
第2セットに入ってもメダル獲得の執念がぶつかり合う激しいラリーの応酬が続く。そして、第3ゲームでブレークに成功したデル=ポトロが、以降サービスキープを続ける。最後は強烈なサービスを決めて、7-5, 6-4で元王者ジョコビッチを破ったデル=ポトロが銅メダル獲得を決めた。試合時間は1時間48分だった。
デル=ポトロは「この瞬間は、世界で最高に幸せな人間だと思う。2日前の準決勝は本当に悲しい結果だった。そういった試合から立ち直るのは簡単ではない。だけど、体にも心にもエネルギーを注いで、この大きなチャレンジに挑むことが出来た。」
また「アルゼンチンにいる皆が、僕がこの試合でベストのプレーが出来るように応援してくれたと思いますし、本当に感謝している。この銅メダルは、僕ら皆のもの。」
デル=ポトロは準決勝でフェデラーに6-3, 6-7 (5-7), 17-19の大激闘の末に敗れ、この日の3位決定戦に臨んでいた。また、準々決勝では第15シードの錦織圭(日本)にストレートで勝利していた。
また銅メダル獲得とはならなかった世界ランク2位のジョコビッチは、2008年北京オリンピックで銅メダルを獲得していた。
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