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クルム伊達、森田揃って初戦突破◇マーキュリー・インシュアランスOP

女子テニスツアーのマーキュリー・インシュアランス・オープン(アメリカ/サンディエゴ、賞金総額72万1000ドル、ハード)は2日にシングルス2回戦3試合と1回戦残り12試合が行われ、クルム伊達公子(日本)が主催者推薦のG・ドゥルコ(アルゼンチン)を7-5, 6-0のストレートで、森田あゆみ(日本)J・ドキッチ(オーストラリア)を6-1, 4-6, 7-5のフルセットで勝利し、揃って初戦突破を果たした。

現在女子ツアー最年長のクルム伊達は、1996年の今大会で優勝を飾っており、今年の出場者で唯一過去に優勝経験のある選手。昨年は予選敗退を喫していたクルム伊達だったが、今年は優勝した時以来となる本戦での勝利を飾った。

クルム伊達は出だしはドゥルコにリズムを奪われ先にブレークを許し追いかける展開となったが、途中からペースを変えたクルム伊達に対し、徐々にミスが出始めたドゥルコ。そのドゥルコに付け入り、一気に試合の主導権を握ったクルム伊達は、第1セット3-5から10ゲームを連取して1時間22分で勝利。4月のバルセロナ大会の1回戦でのドゥルコからの敗戦のリベンジを果たした。

「ヒセラ(ドゥルコ)とは今年のバルセロナで対戦していて負けていました。なので今回は彼女がどんなプレーをしてくるか分かっていました。前回はクレーで今回はハードコートでしたが、最初はちょっと迷いもありリズムが掴めませんでした。しかしそこから強く打つことを止める作戦に変えたのです。すると彼女がもっと強くボールを打ってくるようになり、ミスが出始めました。そしてもっとペースを遅くしたら、さらにミスをしてくれたのです。今日はその作戦が成功しました。」とクルム伊達は、試合中に作戦を変えて勝利につなげた経緯を説明していた。

3回戦進出を懸けてクルム伊達は、第12シードのS・リシキ(ドイツ)と対戦する。この日の1回戦でリシキは、予選を勝ち上がったG・アーン(ハンガリー)を6-0, 6-2とわずか52分で一蹴しての勝ち上がり。リシキとは6月のバーミンガムの1回戦で対戦したが、リシキに軍配が上がっていた。2回戦でもクルム伊達は前回の敗戦のリベンジを狙う。

森田は先週行われたバンク・オブ・ウェスト・クラシックで、今季3度目のベスト8入りを果たしていたが、その準々決勝では試合途中で右足首を痛め途中棄権していた。この日は痛めた足の不安を見せることなくドキッチから第1セットをあっさり奪った。しかし元世界ランク4位のドキッチは第2セットでは反撃を見せ、試合はフルセットへ。

ブレーク合戦となった第3セットは、3度ブレークを許した森田が、4度のブレークをドキッチから奪い返し、2時間4分の接戦を制して2回戦進出を決めた。森田は2回戦で第5シードのA・イバノビッチ(セルビア)と対戦する。先週の1回戦でも対戦していた両者。その時は森田が勝利しており、今大会でも好調を維持している森田が2連勝を狙う。今大会は上位シード8選手は1回戦を免除されているため、イバノビッチは2回戦からの登場。

この日の2回戦の初戦に登場した上位シード勢は順当な勝ち上がりを見せた。第1シードのV・ズヴォナレーワ(ロシア)が予選勝者のJ・クレイバス(アメリカ)を6-4, 7-5で、第2シードのA・ペトコビッチ(ドイツ)は主催者推薦のA・グラッチ(アメリカ)を6-3, 6-4、第3シードのA・ラドワンスカ(ポーランド)E・バルタチャ(英国)を6-0, 7-6 (7-4)といずれもストレートで退けた。

ベスト8進出を懸けて3回戦で、ズヴォナレーワは第16シードのP・エルコグ(スロベニア)とV・ドゥシェビナの勝者と、ペトコビッチはV・ラッツァーノ(フランス)と予選勝者のM・イラコビッチ(ニュージーランド)の勝者と、ラドワンスカは、A・クドリャフツェワ(ロシア)C・マーケイル(アメリカ)の勝者と対戦する。

イラコビッチとクドリャフツェワはこの日の1回戦でシード勢を下す金星を飾っていた。イラコビッチは第14シードのE・ヴェスニナ(ロシア)を6-1, 6-2で、クドリャフツェワも第13シードのJ・ガイドソバ(オーストラリア)を6-3, 6-2と、いずれもストレートで一蹴しての勝ち上がり。

その他、この日の1回戦の試合結果は以下の通り。

A・ブリアンティ(イタリア) ○-× F・ペネッタ(イタリア) (10), 1-6, 6-2, 6-2
M・キリレンコ(ロシア) (11) ○-× R・マリーノ(カナダ), 6-3, 6-2
S・エラーニ(イタリア) (15) ○-× S・ミルザ(インド), 6-2, 6-3
S・スティーブンス(アメリカ) ○-× S・チャン(中国), 6-4, 6-2
T・パスゼック(オーストリア) ○-× S・ハレプ(ルーマニア), 0-6, 6-4, 7-5
An・ロディオノワ(オーストラリア) ○-× O・ゴヴォルツォバ(ベラルーシ), 7-6 (7-4), 2-6, 6-3
B・ザーロバ・ストリツォバ(チェコ共和国) ○-× C・シーパース(南アフリカ), 6-4, 1-6, 7-5

またこの日行われたダブルス1回戦には、チャン/クルム伊達組が登場し、C・チュアン(台湾)/ゴヴォルツォバ組と対戦。7-6 (7-4), 6-4のストレートで勝利し、準々決勝へ駒を進めた。チャン/クルム伊達組は当初、ダブルスにエントリーを申し込んだがランキング上ぎりぎりで本戦に出場できなかった。しかしこの試合を行う予定だったD・ハンチュコバ(スロバキア)/キリレンコ組が試合開始前に欠場を表明したため、急遽ダブルスの1回戦を行うこととなった。

今大会の優勝賞金はシングルスが11万1000ドル、ダブルスが3万5500ドル。

(2011年8月3日15時09分)

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