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人生の転機を乗り越えた女王は、強さを増して赤土のコートに戻ってきた。1月の全豪オープンを離婚問題で欠場したエナンが、19歳のイワノビッチの挑戦をはねのけて3連覇を達成。勝利が決まるとラケットを天高く放り投げ「今年はつらい時期があった。つらい時は練習で頑張った」と感慨に浸った。
得意のクレーコートで実力をあらためて証明した。細身の体をむちのようにしならせ、スピンの利いたボールをコート深くに突き刺した。得意の片手打ちバックハンドがうなりを上げ、巧みな戦術で付け入るすきを与えなかった。全仏は2年前の4回戦以来、1セットも落としていない。更新中の連続ストレート勝ちを17試合に伸ばし「最高の大会だった」と振り返った。
今大会では打ち解けて自らを語る姿が目を引いた。12歳の時に愛する母をがんで亡くし、父とは絶縁状態に陥った。私生活について語ることを嫌い、薄幸の影が付きまとった。だが約5年続いた結婚生活の破局が、逆に殻を破らせたのだろう。
ローランギャロスは亡き母と少女時代に観戦に訪れた思い出の場所だ。「多くのことが変わった。今はもっと良い人間になりたいと願っているし、以前より自分のことが好きになった」と人間的な成長を口にしていた。交流を絶っていた父親とも関係を修復。優勝スピーチで家族の支えに感謝した女王は、今までにない穏やかな笑顔だった。(共同)
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