男子テニスで48歳にして現役を続けている
松井俊英はtennis365.netのインタビューに応じ、現在の状況や今後について語った。
>>【画像】48歳とは思えない!試合でプレーする松井俊英!<<>>松井俊英 現役で戦い続けられる秘訣とは?<<松井はこれまでチャレンジャー大会やITF大会といった国際大会でシングルスでは2度、ダブルスでは23度の優勝を経験。全日本テニス選手権ではシングルスで準優勝1度、ダブルスで6度の優勝を誇る。
長く現役選手として活動している松井は40代となっても活躍。ダブルスでは40代にして全日本テニス選手権で2連覇を達成しており、国際大会では45歳で優勝を飾ったポルト・オープン(ポルトガル/ポルト、ハード、ATPチャレンジャー)を含めITF大会で2度、チャレンジャー大会で3度のタイトルを獲得している。
ダブルス世界ランキングは46歳で記録した121位が自己最高位となっており、現在は1130位ながら現役最年長の世界ランカーとなっている。
シングルスでも46歳まで世界ランキングを保持。現在は世界ランキングを保持しておらず、ランキングポイント獲得を目指している。
2025年は右肘の内側上顆炎により1大会の出場にとどまった松井は今季3月に復帰。復帰後、ダブルスではチャレンジャー大会で1勝を挙げ、シングルスでは3試合に出場し白星は挙げられていないが、前週のKINUJO 東京有明国際オープン 2026(日本/東京、ハード、ITF)予選1回戦では松岡修に対しマッチポイントを握る場面もあり勝利に迫った。
今週はUCHIYAMA CUP TOKYO(日本/東京、ハード、ITF)に出場し、ダブルスは初戦敗退、シングルスは1回戦を前に欠場を表明した。
松井は現在の身体の状態を明かした。
「やっと戻ってきました。(怪我は)完治まではいかないんですけど、工夫しながらこれ以上いくと痛めるなとか、これくらいだったらできるなというのが分かってきたので、コントロールしながら試合に出られる状態です」
復帰後、試合では一定の手応えも感じている。
「先週も松岡修君にマッチポイントまでいったので、そういう意味では落ちてるところもいっぱいありますけど、なんとかギリギリのところでやっていると思います。ダブルスに関しては違うゲームなので、トップの選手たちとやってもなんとでもなりそうな気はいつもしています」
それでも、今なお現役を続けていることについては苦しさもあるという。
「コロナの時期くらいからやっぱり遠征がきつくなってきて、そこから2年くらい頑張ったんですけど、今度は肘を怪我して。結構いつもいつ辞めるかどうかのギリギリのところだったので、本当に今回が最後になるかもしれないというラストスパートです」
「ダブルスでプロテクトランキング(負傷などによる長期離脱選手の救済措置)161位があるんですけど、これがあと7回使えます。できればチャレンジャーとかATP250とかで最後使い切って、ランキングが戻れば全然いいと思うんですけど、結構過酷なので、戻らなかったら他のことも考えなきゃいけないなと思っています」
「気持ちとしては、身体が動けばモチベーションなんていうのは後からついてくると思っています。ただ、身体が動かなくなるといくらモチベーションがあっても、いくら遠征費があってもツアーを回れません。だからそうなったら本当に終わりだと思っています」
「身体がダメだったらもう絶対無理じゃないですか。スポーツ選手は身体が資本なので。だからそれがもうダメだったら強制的に僕は終わりだと思っています」
これまで引退を考えたことがなかったわけではない。
「これまで引退は何度も考えました。30歳くらいの時に単純にコーチの方が稼げるんじゃないかというので考えました。選手はやっぱり遠征も含めタフだったので。20代はやんちゃで色々あってもできたけど、30になってスポンサーもフリーになって、そうなってくると普通にレッスンプロやっている方が経費もかからないし安定しているという思いもあって、30くらいで1回辞めようというのがありました」
「逆に35歳くらいのときにはダブルスで頑張ればいい、応援するよという方たちが出てきて頑張ってみようとなりました。ダブルスもコロナの時にまた辞めようかなと思いましたが、 その時もプロテクトランキングがあって、それを使い切ってみようと思っていたら、使い切った頃にランキングも戻ってキャリアハイにもなったので、もう一回やるかってなったら、今度は肘を壊して。今はだから3、4回目の本当に引退かどうかのギリギリのとこにいると思います」
その中でも挑戦を続けるのには理由がある。
「海外に行くと驚かれるんですよ。『48でまだやってるの!?』『コーチじゃなくて!?』みたいな(笑)それがすごく他の選手との差別化じゃないですけどネタ的になって、普通なら引退だけど引退しないみたいな部分もあります」
「あと、年齢を重ねるとコーチングとかクリニックのオファーをいただくんですが、そのときに自分がまだコートでやっていると、すごくコーチングに活きてきます。テニスは3ヵ月くらいでどんどん変わっていきます。例えば、みんなクイックサーブになってきたりとか、前に入ったり後ろにいたりとか、ストリングパターンが変わってきたりとか。ボールが重い軽いというのも実際にオンコートで現役の選手たちとリアルに経験できるので、引退するのがもったいないというか、まだできるんだったらやった方がいいなと思っています」
「先ほど言ったプロテクトランキングを使い切るまでは、最後ボロボロというか全部使い切るまでやって、その時に肘が勘弁してくれっていう可能性もありますよね。そうしたら辞めるとかになるので、この大会で辞めるとか、ランキングがここまでいかなかったら辞めるとかはないです」
そう語る松井に現在の目標を聞いた。
「せっかくここまできたから、シングルスはめちゃくちゃタフですけど、(ランキングポイントを)1ポイント取れたらいいなというのがあります。昔はドローに名前が載ったらポイントがついていて、60歳くらいでランキングがあった選手もいたんですが、1回勝たないとポイントが付かないという今のルールになってからだと、僕がポイントを取れれば歴代最年長の世界ランカーになることができるのでそこを目指しています」
「ダブルスではプロテクトランキングを使い切ってポイントを重ねて、プロテクトランキングの161位くらいまで戻せればいいなというのがあります」
「あと、全豪オープン アジアパンパシフィック ワイルドカードプレーオフにもプロテクトランキングでエントリーできるので、すごくレベルは高いんですが、誰かいいパートナーがいればその人と組んで本当にラストチャンスみたいな感じでいきたいです。全日本も僕は好きなのでダブルスは出たいと思っています。その辺が今年の目標です」
UCHIYAMA CUP TOKYOでも敗れはしたものの、48歳とは思えぬアグレッシブなプレーを披露していた松井。挑戦を続けられる限り続けるというのは当たり前のことのように思えて誰しもができることではない。その最前線で戦っているのが松井俊英という選手なのだろう。
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