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テニスのグランドスラムであるUSオープン(アメリカ/ニューヨーク、ハード)は大会15日目の14日、男子シングルス決勝が行われ、第6シードのJ・M・デル=ポトロ(アルゼンチン)が第1シードのR・フェデラー(スイス)を3-6, 7-6 (7-5), 4-6, 7-6 (7-4), 6-2のフルセットで下し、初のグランドスラム制覇を成し遂げた。
残り2ポイントだった。20歳のデル=ポトロを破り、今大会6連覇となる通算16個目のグランドスラムタイトルまで、フェデラーは後2ポイントまでに迫りながらも、トロフィーを手にすることは出来なかった。
グランドスラム決勝で初めてR・ナダル(スペイン)以外の相手に敗戦を喫したフェデラーは「多分、試合を思い返して少し後悔すると思う。だけど全ての試合に勝つことはできないし、いつもベストのプレーをすることはできないさ。」と、言葉少なめに試合について語った。
この試合が始まるまでフェデラーは、今大会で40連勝を記録し、グランドスラム34試合で33勝を挙げていた。さらには、直近のグランドスラム18大会中17大会で決勝に進出、通算で21度のメジャー決勝の舞台に登場していた。
一方のデル=ポトロにとっては、今回が初のグランドスラム決勝進出となるばかりか、これまでフェデラーとの6度の対戦では全て負けていた。しかし、今大会の準決勝でナダルを圧倒したデル=ポトロは、その翌日の決勝でフェデラーを困惑させることとなった。
試合後のインタビューでフェデラーは「この信じられない大会のお祝いをフアン・マルティンに送りたい。僕も満足はしていますが、彼がベストでした。」と、自分より7歳も年下のチャンピオンに祝辞を述べた。
普段は冷静さを保つことで知られているフェデラーであったが、この試合では審判の判定に対し激しく抗議するシーンがあった。
第2セット第10ゲーム、フェデラーがゲームカウント5-4とリードして迎えた自らサービスゲーム、デル=ポトロがダウンザラインに放ったパッシングショットがワイドと判定されると、デル=ポトロがCGリプレイによるチャレンジに成功し、このポイントはデル=ポトロのものとなる。しかし、この判定に納得のいかないフェデラーは、ボールが残したマークを指すなど抗議をする。それは次のゲームになっても続き、そのスキをついたデル=ポトロが逆転で第2セットを奪取する。
「結局、あのポイントで試合を犠牲にしてしまった。」と、フェデラーは後悔していた。
一方のデル=ポトロは、ナーバスになったフェデラーに対し20歳の若者らしい一面を試合中に見せている。あるポイントでランニングショットを決めたデル=ポトロは、その勢いのまま観客席に駆け寄り観客とハイタッチを交わすなど会場を盛り上げた。
「夢を見るならば、一つはUSオープンで優勝することで、もう一つはロジャーのようになることでした。その一つが達成できました。」と、表彰式で述べたデル=ポトロは続けてフェデラーの方を見ると「あなたのようになるためにたくさん練習が必要です。最後のポイントまで戦い抜いたあなたに賛辞をおくります。」と付け加えた。
4時間6分にも及び、1999年以来となるフルセットマッチとなった試合を制したデル=ポトロは、1977年のG・ビラス(アルゼンチン)以来のアルゼンチン人チャンピオンになると共に、今大会史上5番目の若さでタイトルを獲得した。
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