2度のビデオ判定も結果は不可解

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ドレイパー
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男子テニスのBNPパリバ・オープン(アメリカ/インディアンウェルズ、ハード、ATP1000)は日本時間16日(現地15日)、シングルス準決勝が行われ、第13シードのJ・ドレイパー(イギリス)が第2シードのC・アルカラス(スペイン)を6-1, 0-6, 6-4のフルセットで破り、ATPマスターズ1000で初の決勝進出を果たした。この試合のファイナルセットでは不可解な判定があった。

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世界ランク14位で23歳のドレイパーが同大会に出場するのは3年連続3度目。最高成績は2023年のベスト16となっていた。

今大会は初戦の2回戦でワイルドカード(主催者推薦枠)で出場した世界ランク80位のJ・フォンセカ(ブラジル)、3回戦でプロテクトランキング(負傷などにより長期離脱した選手の救済措置)を利用して出場した同937位のJ・ブルックスビー(アメリカ)、4回戦で第3シードのT・フリッツ(アメリカ)、準々決勝で第11シードのB・シェルトン(アメリカ)を下し準決勝に駒を進めた。

同大会2連覇中でインディアンウェルズで圧倒的な強さを誇る世界ランク3位のアルカラスとの顔合わせとなったこの日の準決勝は、両者譲らず1セットオールでファイナルセットに突入する。

このファイナルセットでは、アルカラスのサービスゲームとなった第3ゲーム15-15の場面で不可解な判定があった。

この場面、アルカラスが放ったドロップショットをドレイパーが返球するも主審は2バウンドしたとし「ノットアップ」をコール。これによりアルカラスは次のボールをミスしていたがポイントを獲得した。しかし、ドレイパーがすぐさまビデオ判定を要求。そしてビデオ判定の結果、ボールは2バウンドしていなかったことが確認された。

判定が覆ったことによって、主審は「ノットアップ」のコールがプレーの妨げになったとし、ポイントのやり直しをコールした。しかし、今度はこの判断に納得がいかなかったドレイパー。ドレイパーは、アルカラスがボールの近くにいなかったため、いずれにせよミスをしてポイントは自分に入っていたはずだと主張し、再度ビデオ判定が行われた。

2度目のビデオ判定の結果、主審は「ノットアップ」のコールが遅かったためプレーの妨げにはなっていなかったと説明を変更。ポイントのやり直しを取り消し、ポイントをドレイパーに与えた。

混沌としたポイントとなったが、この判定にはいささか疑問が残る。2度目のビデオ判定後の説明で主審は「ノットアップのコールが遅かったためプレーの妨げにはなっていなかった」としたが、リプレーを確認すると実際にはドレイパーが当該ショットを放った直後、そしてアルカラスが次のショットを打つ前に「ノットアップ」とコールしている。

ポイントをやり直すか否かはプレーの妨げとなる「ノットアップ」のコールがアルカラスのショットの前であったか否かが重要なポイントとなる。つまり、今回のようにアルカラスがショットを打つ前に妨害があった場合は、アルカラスに対しての妨害が認められ、ポイントはやり直しとなるべきであったはずだ。

しかし、今回はアルカラスが上記のような主張をせず次のポイントに移ったため、さらなる議論はなされなかった。

いずれにせよ、最初のノットアップという誤審がなければこのような事態には陥らなかったということは確かだ。

この不可解な判定があったゲームでドレイパーはブレークに成功。その後第7ゲームでもブレークを奪い決勝進出を果たした。

勝利したドレイパーは決勝で第12シードのH・ルーネ(デンマーク)と対戦する。ルーネは準決勝で第5シードのD・メドベージェフを下しての勝ち上がり。


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(2025年3月16日11時16分)
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