故人に捧げる勝利でV貢献 涙

男子テニスの国別対抗戦デビスカップファイナルズのファイナル８（スペイン/マラガ、室内ハード）は２６日に決勝が行われ、イタリアがオーストラリアに２勝０敗で勝利し、１９７６年以来４７年ぶり２度目の優勝を果たした。第１試合に登場しイタリアの勝利に貢献した世界ランク４４位のＭ・アルナルディ（イタリア）は試合後、１ヵ月前にガールフレンドの父親が亡くなったと明かした。

＞＞【動画】イタリア、47年ぶり2度目のデビスカップ制覇の瞬間＜＜

９月に行われたデビスカップファイナルズのグループステージを勝ち抜いた８チームが出場し、シングルス２試合とダブルス１試合のトーナメントで決着をつける今大会。イタリアはエースのＪ・シナー（イタリア）を中心に準々決勝でオランダ、準決勝でＮ・ジョコビッチ（セルビア）擁するセルビアを破り決勝に駒を進めた。

決勝戦の第１試合、アルナルディと同４０位のＡ・ポピリン（オーストラリア）が対戦。第１セット、第１０ゲームで３本のセットポイントをしのいだアルナルディは第１２ゲームでブレークポイントを握ると、最後は鋭いフォアハンドでポイントを奪い先行する。

アルナルディは第２セットの序盤で４ゲーム連取を許し１セットオールに追いつかれたものの、ファイナルセットでは２３本のウィナーを奪うなど積極的なプレーをみせ第１０ゲームでブレークを果たし、7-5, 2-6, 6-4のフルセットでイタリアに貴重な１勝をもたらした。

そしてイタリアは勝てば優勝の決まるシングルス第２試合でシナーが同１２位のＡ・デ ミノー（オーストラリア）に6-3, 6-0のストレートで勝利し４７年ぶりの優勝を決めた。

大会公式サイトには試合後のアルナルディのコメントが掲載された。

「この試合は、いくつかの点でとても重要で感情的なものだった」

「一つは初めて母国のためにプレーしたこと。そして、ガールフレンドの父親という大切な人が１ヵ月前に亡くなったんだ」

「これら全ての理由から、どうしても勝ちたかった。少しふさぎ込んでしまっていてプレーするのは簡単じゃなかったけど、これらのことが最後に試合に勝とうするパワーを与えてくれた」

試合後アルナルディは涙を流していた。

【イタリアvsオーストラリアの結果】

第１試合
アルナルディ 7-5, 2-6, 6-4 ポピリン

第２試合
シナー 6-3, 6-0 デ ミノー

第３試合
Ｓ・ボレッリ（イタリア）/ Ｌ・ソネゴ（イタリア） 開催されず Ｍ・エブデン（オーストラリア）/ Ｍ・パーセル（オーストラリア）