勝利で大喜び→ミスジャッジで取消しに

ゲッティイメージズ
フィス(マドリッドOP)
画像提供:ゲッティイメージズ

男子テニスのリヨン・オープン(フランス/リヨン、レッドクレー、ATP250)は26日にシングルス準決勝が行われ、世界ランク112位のA・フィス(フランス)が第8シードのB・ナカシマ(アメリカ)を7-5, 4-6, 7-6 (7-5)のフルセットで破り、キャリア初のツアー決勝進出を果たした。この試合で、ミスジャッジによって1度勝利が取り消される珍しいシーンがあった。

>>【動画】勝利がミスジャッジによって取消されたシーン<<

現在18歳のフィスは、2021年に16歳でジュニア世界ランク3位を記録し、同年の全仏オープン・ジュニア(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)でシングルス準優勝を飾ったフランス期待の新星。

今シーズンはチャレンジャー大会で1度の優勝と1度の準優勝を飾ると、2月の南フランス・オープン(フランス/モンペリエ、室内ハード、ATP250)とオープン13・プロヴァンス(フランス/マルセイユ、ハード、 ATP250)でベスト4に進出した。

今大会は1回戦で世界ランク70位のジャン・ジジェン(中国)を破ると、2回戦ではM・イメル(スウェーデン)がラケットを審判台に叩きつけ失格処分となりベスト8に進出。準々決勝では第1シードのF・オジェ アリアシム(カナダ)と対戦予定だったが、オジェ アリアシムが負傷により試合前に棄権したため準決勝に駒を進めた。

この試合の第1セット、ナカシマが5度のブレークポイントを逃すと終盤の第12ゲームでフィスがこの日初めて訪れたブレークポイントを1本でものにし先行する。

しかし第2セットでフィスはナカシマに2度のブレークを許し、試合はファイナルセットに突入する。ファイナルセットでは両者1度ずつのブレークを果たし、迎えた第10ゲームでフィスはマッチポイントを握る。

このポイントでナカシマが放ったバックハンドを線審がアウトとコールすると、母国の観客は大歓声をあげフィスの勝利を祝福。フィスはその場に大の字で倒れこみ全身で喜びを表現した。

しかし、フィスが起き上がり握手に向かおうとすると主審がボールマークの確認に訪れ判定をインに変更。これがナカシマのポイントとなり試合は続行されることになった。フィスは信じられないという表情で背中と後頭部に赤土がついたままプレーに戻った。

このゲームは結局ナカシマがキープし、試合はタイブレークに突入する。フィスは1度勝利を確信したものの、その後集中力を切らさずプレー。タイブレークでは1度のミニブレークに成功。自身は1度もミニブレークを許さず、最後はこの日「2度目の」勝利の瞬間を迎え、初のツアー決勝進出を果たした。

勝利したフィスは決勝で第4シードのF・セルンドロ(アルゼンチン)と対戦する。セルンドロは準決勝で第2シードのC・ノリー(イギリス)をストレートで破っての勝ち上がり。

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