パリオリンピック(フランス/パリ、レッドクレー)は28日、テニスの男子シングルス1回戦が行われ、元世界ランク1位の
R・ナダル(スペイン)が世界ランク83位の
M・フチョビッチ(ハンガリー)を6-1, 4-6, 6-4の2時間30分に及ぶフルセットの激闘の末に下し、2大会ぶり3度目の初戦突破を果たした。2回戦では第1シードの
N・ジョコビッチ(セルビア)との対戦が決まっており、試合後には「僕のキャリアの中での2大ライバルの1人と、このコートで対戦できるのは素晴らしいことだ」と語った。
>>【一覧】パリオリンピック テニス 全種目ドロー<<>>西岡 良仁らアトランタOP組合せ<<38歳で今季での引退を示唆しているナダルは北京オリンピック(中国/北京、ハード)のシングルスで金メダル、2016年のリオデジャネイロオリンピック(ブラジル/リオデジャネイロ、ハード)では
M・ロペス(スペイン)とのペアでダブルスでも金メダルを獲得している。
2021年の東京オリンピック(日本/東京、ハード)には出場しなかったナダル。2大会ぶりの出場となった今大会には単複にエントリーしており、前日に行われた男子ダブルス1回戦では
C・アルカラス(スペイン)とのペアで初戦を突破した。
この日のシングルス1回戦では32歳のフチョビッチと対戦。第1セット、ナダルはファーストサービス時に76パーセントの確率でポイントを獲得し相手に1度もブレークポイントを与えず、リターンゲームでは2度のブレークを奪い先行する。続く第2セット、ナダルは第2ゲームで先にブレークを奪われる。相手のサービング・フォー・ザ・セットとなった第9ゲームで1度はブレークバックを果たしたナダルだったが、直後の第10ゲームで2度目のブレークを奪われ1セットオールに追いつかれる。
ファイナルセット、ナダルは第4ゲームで0-40とピンチを迎えるもこれをしのぐ。すると直後の第5ゲームでナダルがブレークに成功。ナダルはこのリードを守り切り、2時間30分の激闘を制した。
勝利したナダルは2回戦で第1シードのジョコビッチと対戦する。ジョコビッチは1回戦で
M・エブデン(オーストラリア)を下しての勝ち上がり。
ジョコビッチとナダルは長年しのぎを削ってきたライバル。過去59度対戦しており、対戦成績はジョコビッチから30勝29敗と互角。直近の対戦は2022年の全仏オープン(フランス/パリ、レッドクレー、グランドスラム)準々決勝で、この時はナダルが6-2, 4-6, 6-2, 7-6 (7-4)で勝利した。
男子プロテニス協会のATP公式サイトにはナダルのコメントが掲載されている。
「第1セットはとてもいいプレーができたと思う。素晴らしいセットだった。良いことは、1時間くらいは非常に高いレベルでプレーできたことで、それから何が起こっているのかがわかったんだ。こんなに長い時間、エネルギーと集中力を維持するのは大変な努力。でも、それが毎日の努力なんだ。次はもっとうまくできるといいね」
ジョコビッチとの対戦については「もちろん、僕のキャリアの中での2大ライバルの1人と、このコートで対戦できるのは素晴らしいことだよ。でも、彼(ジョコビッチ)にとっても、僕にとっても、状況はまったく違う。彼はいまとても競争心が強い。そして、この2年間、僕はあまり競争心がなかった。僕はコートにベストを尽くして、どこまでいけるか、そして彼にどれだけの問題を起こせるか見てみよう」と語っている。
ジョコビッチとナダルの60度目の対戦がオリンピックで実現する。
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